財政出動と金融緩和に乗っかり恐ろしく強い株式相場を見せてはいますが、誰もしっかりとした景気動向からの株価上昇だとは思ってもおらず、新型コロナで先の見えない不安定な経済状況の中での出来事なのは皆さまも理解していると思っています。

それでもこの通称「コロナバブル」に投機筋や機関投資家、ヘッジファンドあるいは個人投資家たちは参加しないはずもなく、買いポジションをキープしながら大きな売りの機会を虎視眈々と窺っているようにも感じます。

元来、新型コロナの感染拡大が巻き起こした景気の低迷というグラグラな土台の上にある株式市場だけに、ひとつ大きなファクターが発生すれば株式市場は総崩れを見せると思っていました。

とくにハイテク株中心のナスダックはNYダウやS&P500などの連動性も少なく、NYダウが下がろうが一方的に上昇を続け存在感をアピールしまくっていましたので、7月に入れば早い段階で利益確定の強い売りが入るだろうと読んでいましたが、そんな気配もなく7月に入って最高値を更新し続けています。(電気自動車のテスラなどは物凄い勢いで株価が上昇しています)

そしてわれらが日経平均株価も、以前ならニューヨークで株式市場に反落が起きれば東京市場でもそのあおりを食らって反落するケースが見られましたが、最近はニューヨーク市場に影響されることなく日経平均株価の独自性がしっかりと表れているようなイメージです。

しかも日経平均株価も強い。

3月半ばに16000円台を付けたとは思えないほど。

もうほぼ全戻しです。

そしてもうすぐ再び23000円台が目の前に。

このニューヨーク株式市場、特にナスダックが見せる異例の強さや、東京株式市場での日経平均株価の堅調さ、ちょっと新型コロナの感染拡大で経済にダメージを負った状況に置かれているなどとはにわかに信じがたいような。

しかもニューヨークにしろ東京にしろ、悪材料が出ても影響は限定的です。

それでも株の現物であろうがCFD(株価指数)であろうが、キープしているだけでなく最終的には利益確定、つまり高値で売りに転じないとあるいは決済しないと利益にはつながりません。

日本はちょっと違いますが海外ではそろそろ夏のロングバケーションシーズンとなり、各金融市場では市場参加者の少ない夏枯れ相場に入ります。(日本でも賛否両論のGO TOキャンペーンが始まりますが)

かりに皆さまがお持ちの現物株あるいはCFD(株価指数)がだいぶ含み益を抱えているとします。

あと10日ほどで2週間のロングバケーションです。

だとしたら利益確定するのはバケーション前ですか?

それともバケーションが終わってから?

あるいはもっと上がるので長期ホールド?

アノマリー的には8月の金融市場は低調に推移することが多いです。(昨年は米中貿易協議の難航からトランプ砲が炸裂、結構大荒れの相場展開となりました)

冒頭のように財政出動と金融緩和に支えられているのが今の株式市場の現状で、実体経済は新型コロナの影響で結構なダメージを抱え回復にはそれ相応の時間が必要だといえますし、その上で日々増え続ける新型コロナへの感染が止まないうちは、まだまだ株式市場は予断を許さない大きな波乱が潜んでいると見ていますが。

7月も後半、海外勢が本格的なサマーバケーションに入る前の1週間。

はたして株価はどう動くでしょうか?