人生の中でも大きな出費をともなうのが「教育・住宅・老後」。

そのために現状から将来を見据え、計画を立てることがライフプランニングのひとつの目的です。

「教育・住宅・老後」、どの資金をとっても前提は「将来にお金を使うための資金」。

大きな資金が必要となるときに、いきなり「用意して!」と言われても用意できないから、時間をかけてコツコツと計画的に負担できる分だけ積み立てていくことで将来の大きな出費に備える。

資金作りの性格はだいたいそんなところにあると思います。

「できることなら、その積み立てたお金がちょっとでも増えてほしい。」

誰しもが抱く感情です。

そういった意味では昔の学資保険は、お客さまのニーズにしっかり答えた商品でもありました。

そう、ほんの5,6年前までの学資保険には満期のときにお支払いいただいた保険料合計を上回るような商品もあって、実際に私自身も販売していました。

だだ、今はどうでしょう?

お子さんの将来のために、お子さんが0歳のときに月々5000円の学資保険に加入したとします。

5000円×12か月×18年=1080000円

お子さんが18歳を迎えた満期のとき、受け取る金額は1080000円より多いですか?

それとも少ないですか?

保障が付いているから!

その保障ってどんな内容ですか?

その保障でお子さんが入院した時など、ご家庭で発生した家計の損失を十分フォローできますか?

お子さんの医療費や食事代はかからないでしょうけど。

幼い子供さんをひとりで入院させますか?

あるいは、

ご契約者がお亡くなりになってしまったら保険料の支払いがなくなるから!

それでお子さんの進学資金は本当に大丈夫ですか?

もし、お子さんが18歳のときに大学進学が決まり、その学費のためご夫婦ともに仕事をしながら家計の出費を切り詰めるような余裕のない日々を、4年間あるいは6年間かもしれない期間にわたり送らなければならないと思ったら、積み立てた金額が減る方向ではあまり考えたくないのも事実。

「ちょっとでも積み立てた金額が増えてくれれば!」。

あるいは、

「積み立てた金額がまとまって大きな金額になってくれれば!」。

など、

明確に目的がハッキリした性格の資金作りで、増えて戻ってくるならまだしも、「保障が付いているから」などの理由で積立金が目減りするような商品のご案内は避けたいと、プランニングをご説明する側からすればそう思いますし、教育資金作りを目的に金融商品をご案内するなら学資保険だけではなくもっと選択肢はあるはずです。

「保障」と一口にいっても万が一の「遺族保障」や増加傾向の「医療費」対策、年々増え続ける介護人口とそれにともなった「介護費用」への対策など、お客さまのライフプランとご意向を踏まえた「保障」設計を、お客さまといっしょに考えればいいことです。

そして大きな出費が必要となる場面に向けた資産形成は、なにも生命保険でしかできないわけでもありません。

現在は教育資金や住宅ローン返済計画あるいは老後資金作りに向けて、さまざまな金融商品があります。

目的にあわせ資産作りの性格を理解した上で、さまざまな選択肢を検討してみるのもライフプラン実現のためには重要ですよ。

「教育資金作りは学資保険で!」。

そんなこと言ってるのは、金融商品の知識に乏しい人だけだから!