昨年11月に登場したメットライフ生命の変額保険 「ライフ イン ベスト」 は、発売されてからまだ1年経ってません。
ですので、まだまだこれから実績を積む段階にあり、金融緩和と財政出動で沸き立つ金融市場を背景に、どのくらいのパフォーマンスを見せるのかは正直言ってまだ未知数です。
ここがアクサ生命の「ユニット・リンク」との大きな違いかもしれません。
アクサ生命の「ユニット・リンク」は今、金融市場の追い風とともに長期にわたり積み上げた運用実績のもと、ファンド選びさえ間違ってなければ目を見張るパフォーマンスを展開しています。
まあ、メットライフ生命の「ライフ イン ベスト」は変額保険としては後発商品ですし、長期分散投資を目的としていますので、ファンド選択を誤らないかぎり長期的な視野でいけば極端な積立資金の減少は防げるのではないでしょうか。(わかりませんが!)
ですがお忘れなく、ライフ イン ベストもユニット・リンクも「積み立てた保険料が将来必ずプラスになります!」などとは絶対言えない商品です。
設計書に記載されている経過年数ごとの解約返戻金の推移などは、保険会社の「積立金がこういう運用でいったときは、」のシミュレーションですから、あくまで参考値であり確定した数字ではありません。
しかも、保険ですから死亡保障が付きますので、保障費用が必ず発生します。
かりに毎月10000円の保険料だとすると、保険料10000円すべてが積立に回っているわけではありません。
10000円のうち保険会社ごとにきめられた保障関係費用を差し引いた金額が積立金に移行します。
その積立金にも株式や債券に投資しますので運用関係費用が発生します。
積立金で購入した資産の価格は毎日変動します。
ここまでくればもうお分かりだと思いますが、1年や2年はもちろんのこと5年未満の短期間で積み立てた資金が増加し、お支払いいただいた保険料総額を上回ることなんてほとんどないでしょう。
そのうえ、変額保険の場合は積み立て部分の資金で株式や債券を細かくたくさん購入しますで、解約などの請求があったときは購入した資産を売りに出さなくてはいけません。
10年未満の解約の場合は、「解約控除」という名で各市場から資金を調達したときの手数料を経過年数に応じて解約返戻金から差し引くことになります。
積み立てた資産が飛躍的に増加しているならともかく、10年未満での解約は「解約控除」がありますので十分ご注意ください。(10年未満の減額・払済にも解約控除が発生します)
ここが投資信託との大きな違い。
投資信託のように自ら口座を開いてファンドを購入するような、純粋な資産形成商品ではありませんから。
それでも10年以上のできるだけ長い期間、そう20年とか30年とかの期間を見据えれば積立金で毎月購入する資産も、購入するたび口数を増やせ平均単価も安定してくるので、購入した資産が少しの価格上昇で資産の増加が見込めるような状況にもなっていきます。
ただ、あくまでも生命保険。
保障抜きに変額保険は語れません。
積立資産が増減することも変額保険の要素ではありますが、積立金額の増減にかかわらず死亡保障に関してはご加入当初の保障金額が減ったりすることはなく、しかも一般的な生命保険にはない「運用成果が好調なら死亡保障も増加する」メリットがあることをご存じでしょうか?
もし、変額保険にご加入したときの死亡保障が「1000万」だったとしたら、積立金額が増減しようと契約が終了するまで死亡保障1000万は変わりませんが、積立金額の運用実績によっては死亡保障金額が増える可能性があります。
これは通常の生命保険にはない変額保険ならではの非常に大きなメリットだといえます。
外貨建て保険も同様ですがその積立効率ばかりが強調され、あたかも「投資信託」を購入するようなイメージで変額保険を捉えがちになりますが、「外貨建て保険」も「変額保険」も立派な死亡保障のついた生命保険です。
そして、外貨建て保険も変額保険も生命保険にご加入にいただくメリットと保障の必要性から考えていただかないと、「外貨貯金」や「投資信託」のように純粋な資産形成商品には敵いませんから。
ですので、変額保険を「資産形成商品!」や「積み立て代わりに!」とご説明なさる方にはちょっとご注意を。
資産形成だけを第一の目的とした商品とは違いますから。
もっとも、そのようなご案内は説明する側に問題がありますが。