以前、まだ郵便局にいたときの話。

当時ほとんど利息の付かない、そう0.04%なんていう普通預金とあまり変わらない定期性預金の「定額貯金」をお客さまに勧めていた時代がありました。(今はもっと悪いですが)

定額貯金の利率0.04%の意味わかりますよね。

100万円を1年間預けていただいたときの利息が400円。

定額貯金は10年満期なので、ザックリお伝えして100万円を10年間預けて4000円の利息。

もちろんその利息から税金20.315%が引かれます。

「こんなん案内して、お客さまにメリットあるの?」と思いながらも、しょせんは会社勤め。

会社の営業方針には逆らえません。

きっと郵便局の収益にはつながっていたのでしょう。

ですので、積極的な定額預金集めを命じられていました。

「普通預金のままでは防犯上よくないので、定額貯金にしておきましょう!」みたいな話法指導もありましたので。

そんなことで10年後にお客さまが「定額貯金をやってて良かった!」とは思えず、おぼえたての投資信託を話し出したのもこのころ。

最初は投資信託の販売経験のある上司などに付いてご案内を始めましたが、そのうち自分ひとりでご説明するようになっていきます。

折しも東日本大震災後の混乱の中から総選挙で民主党政権が敗れ、「アベノミクス」を掲げた第2次安倍内閣が誕生したとき

革新的な経済手法を用いた第2次安倍政権のもと、日経平均株価は8000円から高くても10000円の時代に旋風が巻き起こります。

今まで停滞していた日経平均がいとも簡単に14000円に到達。

それどころか15000円をやすやすと突破し、18000円を超え20000円に迫る勢いに。

この上昇期に先入観を持たず、既存の貯金商品ではなく一歩踏み込んで投資信託を購入したことで資産を増やしたお客さまたちを何人も見てきました。

それはもうご案内した私どもも驚きです。

この当時、投資信託をご案内したお客さまの中で、「投資信託なんか買って失敗した」なんてお客さまはいなかったように思います。(そんなにたくさんご案内してませんが)

ただ、私とお会いする以前に金融機関で勧められて購入し、「投資信託なんか購入して失敗した」というお客さまには何人かお会いしたことがあります。

そういうお客さまは一度苦い経験をしていますので、投資信託のご案内をしても「投資信託なんて二度と買わない」という強いお気持ちに満ち溢れていました。

じゃあなぜ「失敗した」という苦い経験につながったのか、突き詰めればほとんどが「ファンド選び」を間違っているケースです。

投資への知識が少ない中、ファンドの年リターン設計(年に何%ほどの利率を見込んでいるか)が高いからといって金融機関の勧められるがままに購入してしまうと、得てしてそういうファンドは1年でのリターン設計が高くても年間での価格の変動率が非常に大きいので、さまざまな要素次第で収益面でも極端な価格変動が表れます。

「利率設計が高いファンド=価格の振れ幅も大きい」と思ってください。

まあ、こういったケースははじめて投資信託を購入しようとするお客さまに対しての、ご説明する側の問題でもありますが。

それでも利率の高い一部のネット系バンクを除けば一般的な定期性貯金よりも、投資信託のほうが後々お客さまに喜ばれる可能性が高いので、私どもでは「ひとつの貯蓄」方法としてライフプランニングでの対策商品だと捉えています。

もしご購入をお考えなら、くれぐれもファンド選びは慎重に。

「投資は自己責任」で片付けられてしまいますから。

そして、生命保険選びも自己責任のような気がしますが。

世の中には数えきれないほどの保険会社があり、その保険会社で働く人々も無数にいるわけですから、さまざまな形で生命保険のご案内をお聞きになる機会があると思います。

保険会社も収益を求める企業体ならば、そこで働く人々も生活の糧としています。

決して保険会社やそこで働く人々の存在意義は「慈善事業」や「慈善活動」ではありません。

保険会社はお客さまにとってより良い商品を提供し、その保険会社で働く人々はお客さまにより良いご提案を差し上げてご加入いただくのが仕事。

そのご提案がお客さまにとって、合っているかどうかを判断するのは最終的にお客さまになります。(いまどき「付き合い」や「たのまれて」保険に入る人もいないでしょう)

ご加入いただいた以降も含めて、実際に給付金の請求する際やちょっとご加入しているプランについて相談したい時とか、「この方いつまでフォローしてくれるのかな?」など、お客さまご自身も少しばかりご加入後をシミュレーションしながらご検討いただくのがよろしいかと思います。

私どもも含めて、だいたいの保険屋さんは「良いことばかり!」しか言わないと思いますので。