平成19年2月、約5000万件あまりの誰のものかもわからない年金記録があるとの問題が発覚、当時第一次安部内閣では平成19年の参議院選挙の公約に「消えた年金問題ついては最後の一人まで探し出す」と掲げられていました。

しかしこの「消えた年金問題」発覚後、自民党は平成19年の参議院選挙で惨敗、平成21年の総選挙での自民党大敗の引き金にもなり、旧社会保険庁はそのずさんな管理体制を指摘され平成21年12月をもって解体、自民党の55年体制が崩壊した瞬間でもありました。

第一次安部内閣もその後に政権交代を引き継いだ旧民主党もこの消えた年金問題には多額の予算を投入しましたが、およそ2000万件ほどは見つからないまま平成26年に事実上打ちきりとなりました。

第四次安部内閣に今回の「老後2000万円」問題はまさに鬼門ともいえるのではないでしょうか。

平成19年同様、今年7月の参議院選挙が有力なだけにここにきての「老後2000万円」問題は厄介なところ。

10日の参院決算委員会では「老後2000万円」報告書に対して、野党はここぞとばかりに争点を絞って追及、安倍首相は「不正確で、誤解を与える表現だった」と釈明にまわるばかり。

ただ、はたして本当に不正確なのでしょうか?

金融庁が2017年の総務省家計調査に基づき、夫65歳以上妻60歳以上の平均的な無職の世帯において「毎月約5万円の赤字」と試算、赤字は自身の資産でカバーし、20年で約1300万円、30年で約2000万円の取り崩しが必要と指摘。

年金制度は世代間扶養の仕送り方式に加え、給付を抑制していくマクロ経済スライド、これにより年金の給付水準を現役世代時の収入の50%は確保する見通し。

つまり少子高齢化で公的年金の先細りは見えているし、仕事をしているときの半分しか年金は支給されない。

それでいてインフレターゲット(物価上昇率の目標)を2%に設定。(なかなかうまくいってませんが)

以前ブログにも掲載しましたが、老後今の生活水準を維持するには公的年金だけでは難しいと10年以上前から言われていました。

10年以上前から自助努力が必要と言われていました。

今回金融庁が発表した「老後2000万円」報告書は、中らずと雖も遠からずのような気がしてなりませんが。

皆さまは今回の「老後2000万円」はどうお感じになりましたか?

よろしければ、ご感想をお聞かせください。