新型コロナの感染者拡大で「第7波」が発生し、すっかり油断していたところに、再び新型コロナへの警戒が必要になってきました。

「もうこの新型コロナ、いつまで続くんだ!」

と、言いたくなるほど毎回、出口が見えない状況が続きます。

これから夏本番を迎え、また猛暑がやってきそうな雰囲気のうえ、すっかり感染リスクから遠のいたかと思えば、再度感染者が急上昇に向かっているあたり、まだまだ人類は、この「新型コロナウイルス」から逃れられない境遇にあることを痛感させられます。

そして、この新型コロナウイルスがもたらした一番の副作用が、今、世界中を困惑させている「インフレ(物価上昇)」かもしれません。

今ごろになって、「行き過ぎた経済政策」を口にする関係者もおりますが、もはや手遅れ。

長期化するロシアのウクライナ侵攻問題も加わり、世界規模で金融マーケットは、いままで経験したことのない、「未知の困難」に立ち向かうことになります。

この異例の金融危機をどう乗り切るか?

カギを握っているのが各国の中央銀行。

主要先進国の中でも日本はあいかわらず、平成初期以降の「空白の30年」といわれる景気低迷期のもと、なんとか立て直しを図るため金融緩和の姿勢を崩しませんが、日本とは逆にこれからも経済成長が見込めるアメリカは、インフレを野放しにすれば、おのずと自滅してしまいます。

行き過ぎた経済環境には、対処するのが中央銀行の役目です。

よって、いまの高インフレを、何とか落ち着かせる必要が出てきました。

その兆候が顕著に表れ始めた2021年の中盤以降、一過性を唱えていたアメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)は、今年3月から政策金利の引き上げに着手。

いわゆる「利上げ」でインフレを抑え込もうとしていますが、なかなかこのインフレは収まる気配を見せません。

そこで浮上してきたのが、2022年7月26,27日に政策金利を話し合うFOMC(米連邦公開市場委員会)で、1ポイントほど、さらに政策金利を引き上げるかもしれない利上げ観測。

いままで、2022年3月に0.25、5月に0.50、6月に0.75と、これまでにないペースで政策金利を引き上げてきましたが、それでも6月期の消費者物価指数(CPI)は9.1%と5月より上昇しました。

当初、7月のFOMCでは0.75ポイントの利上げが定説だったのですが、6月の消費者物価指数が戦前の予想を上回ったことで、ここで思い切って1ポイントほど利上げして、インフレを何とか封じ込みに行くのではないかとのウワサが、金融市場に飛び交い始めます。

もともと政策金利の引き上げ「利上げ」とは、2018年2月の株式市場のように、過熱しすぎた相場にブレーキをかけ、沈静化させるためにいままで用いられてきました。

それがもし、インフレを封じ込めるため、7月に政策金利を1ポイントさらに上げたら?

その場合、今後の景気減速懸念と株価の強い下落リスクが、さらに強まってきます。

しかも、利上げ予定は7月が最後ではなく、あまりにも高すぎるインフレ率にため、これからも断続的に続く予定です。

ただ、過去事例の検証では、緩々と少しづつ政策金利を上げていくより、一定期間において、ある程度の大幅な利上げをおこなったほうが、株式市場の低迷は短期で済んだケースもあり、ここはFRB理事たちの判断が大いに注目されるところです。

一時の経済成長と株価を犠牲にして、思い切った判断で高インフレを止め、未来に希望をつなぐか?

それともハト派的な判断で、経済も株価も守りにいって、その結果、ズルズルと長期の低迷期をアメリカは迎えてしまうのか?

どちらにせよ、これから2021年までの劇的な株式市場は期待できませんので、投資においては中長期な戦略が不可欠になってくるでしょう。

もしかしたら、7月26,27日にFRBが下す判断によっては、5年以上の株価低迷(特にインデックス)もあり得ますので、投資先、とくにファンド選びには十分考慮の上、投資なさったほうがよろしいかと SMILE AGAIN は思います。