なんかおかしくないですか、今年の夏の株式マーケット。

いままでならこの時期、サマーバケーションシーズンで市場参加者が減り、どっちかというと「下げ相場」が続くのですが、間違いなく上昇傾向。

しかも、日経平均も強いが、懸念されたアメリカ3指数(NYダウ・ナスダック・S&P500)もしっかり上昇を見せています。

2022年7月のFRB(米連邦準備理事会)が下した政策金利は、予想通りの0.75ポイントの利上げで、ちょっと株式相場に安堵感が漂いましたが、そのあとの雇用統計の堅調さ、そして、2022年8月11日発表の消費者物価指数(CPI)が示したインフレの鈍化と、好材料が重なったことが一つあると思います。

これにより、株式市場を取り巻く環境は、戦前に流れたリセッション(景気後退)懸念を間違いなく後退させたでしょう。

ただ、インフレの原因といわれる「賃金上昇率」と、業種による「雇用状況」のタイトな部分は、いまだ改善されていません。

そして、気になる不動産価格の上昇も。

インフレはもうピークアウトした感がありますが、これがどこまで下がるのか?

インフレは鈍化したものの、FRBが正常と考えるインフレターゲットとは、いまだかけ離れたところに消費者物価指数はあるだけに、予断を許さない状況はまだまだ続きそうな気もしますが。

とりあえず、アメリカの株式市場が堅調に推移しているウラでは、FRBによる継続的な利上げと、米国10年債金利の低下があるだけに、8月の堅調さが「Dead・Cat・Bounce (デット・キャット・バウンス)」にならないことを期待します!

「Deat・Cat・Bounce (デット・キャット・バウンス)」とは、上から落ちてきた猫が地面に叩きつけられて死んでいくとき、叩きつけられた衝撃で上へと跳ね返る様を株式市場にたとえ、下落相場でいったん底を打った時、その反動で一度は上昇するが、その後に強い下落が始まることを指します。