任意で加入する保険会社の医療保険には、思いがけない「入院」や「手術」による医療費の出費を、カバーしてくれる大切な役割があります。
ただ、「入院」や「手術」に対する備えだけを持っていればいいのかといえば、決してそうではありません。
医療保障を考える上でぜひご検討いただきたい特約に、「通院」特約と「三大疾病」特約があります。
「通院」特約とは文字通り”退院後の通院”に特化した特約です。
昨今の入院日数は短期化していることに、みなさまもお気づきでしょう。
ただ入院日数が短期化しているからといって、治療自体が短期化しているのではありません。
入院期間は短くなったとしてもそこで完治したのではなく、退院後から通院治療が始まることもしばしば。
その点を踏まえるとベーシックな「入院」・「手術」だけではなく、退院後の通院治療にも備えておく必要性があるでしょう。
もしかしたら入院日数より、通院期間のほうが圧倒的に長くなるかもしれません。
そのうえ遠方の病院に通院するとなると・・・・・。
そういった事例を踏まえると「通院」特約とは、現在の医療保障を考える上で不可欠なオプションとも言えます。
そしてもう一つ。
高額な医療費につながりやすい「三大疾病」に対する保障もご検討いただきたいところ。
「三大疾病」とは、悪性新生物(ガン 上皮内を含む)・心疾患・脳血管疾患のことを指します。
この「三大疾病」特約を付加していると「三大疾病」に該当した場合、一時金が給付されたり保険料のお支払いが免除になるなど大きなメリットが特徴的です。
ではこの「三大疾病」、どこの保険会社でも同じような該当要件なのでしょうか?
じつは違います。
この「三大疾病」、保険会社によって定義はバラバラ。
保険会社によって「三大疾病」に該当する要件が異なっているため、「三大疾病」に対する認識も違ってきます。
たとえば”ガン”。
いまだに日本人の死因No,1のガンですが一口にガンといっても大きく分けると、”悪性新生物”と”上皮内新生物”に分かれます。
”上皮”とは臓器などの最表層部をいいますが、ガン細胞がこの”上皮内”を突き抜け粘膜や臓器などを形成する細胞深層部へと侵食し始めると、ガン細胞が血液の循環とともに体内を巡るようになり転移の可能性が疑われるようになります。
この状態が”悪性新生物”。
逆にガン細胞が”上皮内”にとどまっている状態なら、進行度合いも転移の可能性も低いといえます。
こちらが”上皮内新生物”です。
ただ”上皮内新生物”もガンの一種であることに変わりはありません。
この”上皮内新生物”を「三大疾病」の該当要件にしない、あるいは一部削減して給付金の支払対象にしている保険会社もあります。
このことは心疾患や脳血管疾患にも言えることで、心疾患ではなく”急性心筋梗塞”、脳血管疾患ではなく”脳卒中”と表記している保険会社もあります。
この表現の違いは単純に該当枠の違い。
どちらの表現が該当枠が少なく、どちらが幅広い該当要件なのかは、ちょっと考えていただければ安易に想像がつくでしょう。
よって同じように見える「三大疾病」特約でも、保険会社によって「三大疾病」の給付金が出たり出なかったりします。
そんなこと本来はあってはならないような気もしますが、実際にあるんですねこれが。
「あっちの保険会社は給付金が出たのに、こっちの保険会社は給付金が出なかった」
なんてことが。
特に「三大疾病」特約は保険料もほかの特約と比べると大きいので、ご検討いただく際はどんな内容が該当するのかしっかり確認しておきましょう。
ちゃんと「三大疾病」特約を付加したのに、「給付金が出なかった!」なんて嫌な思いをしないためにも。
もし「三大疾病」特約を付けた保険料が高すぎるとお感じでしたら、「ガン治療」特約や「ガン一時金」特約だけでもご検討いただくことをおススメします。
もちろん、ここでも該当要件はキチンとチェックすることを忘れずに。