公的年金のように2が月に1回、決まった日に決まった金額が通帳に振り込まれると、皆さんその日が待ち遠しく感じると思います。

2か月に1回ではなく毎月だったら皆さんどうでしょうか。

そういった金融商品があったら、私もお客さまのライフプランを立てやすいのですが。

個人年金などがまさにその通りの金融商品ですが、利率が以前と比べるとそれほどよくありません。

個人年金自体も2016年1月29日に日銀がマイナス金利政策を発表し2月16日にマイナス金利となった以降、量的・質的金融緩和政策も続けたので国債利回りもマイナスとなり徐々に販売されなくなっていきました。(いまでも商品自体あることはありますが、商品の種類はだいぶ少なくなりました)

そんな不遇の金融業界のなかで、預けた資産を運用して決算をし決まった日に金額をお客さまにお支払いできる商品があります。(確定ではありませんが)

投資信託の分配金です。

投資信託の分配金はそのファンドがいつ決算をするかで、毎月だったり2か月に1回だったり半年に1回だったり年1回だったりします。

この投資信託の分配金が初めて購入する方々を混乱させることになります。

決まった日に必ず入金されるので、初めは「これはいいかも」と思うかもしれません。

でもそのうち気づくと思います。

なぜなら入金される金額が同じではないから。

わかりやすく説明しますと、基準価格5000円の投資信託を100万円分購入して毎月決算で分配金が1万口あたり50円だとします。

1000000円÷5000円=200 になりますので200口分購入したことになります。

分配金が50円なので 200口×50円=10000 ですので分配金は10000円ということになります。

では毎月10000円が決まった日に入金されるのかというと、10000円の月もあれば8000円の月も出てきます。

どうして?と最初は感じるかもしれませんが、分配金には2種類あり8000円の分配金が「普通分配金」といいましてお預けいただいた資産を運用し、決算のときに運用益が発生したので税率20%を差し引いた金額となります。

10000円のほうは?というとお預けいただいた資産を運用し、決算のとき運用益が出なかったため投資いただいた資産の一部を払い戻した「元本払戻金(特別分配金)」となります。

元本払戻金(特別分配金)はご自分の資産の一部を払い戻しているだけなので非課税となります。

おわかりいただけましたか。

つまり、毎月決算型の投資信託を購入し分配金の受け取りを選択した場合、決算して運用益が出ていればいいのですが、運用益が出なかった場合はご自分でお支払いした金額の一部を受け取っていることになります。

そのうえ分配金を受け取るということは、ファンド自体の運用資産が減るということなので、分配金の分だけ資産の時価評価額である基準価格は下がります。(ファンド内の資産の価格が急騰すれば別ですが)

投資信託を購入している方に今の投資信託の状況をお聞きすると「分配金と合わせてトントンかな」というお返事がよく返ってくるのですが、それは「私が購入した投資信託は増えてませんよ」と言っているのと同じことになります。

もっとも、分配金自体の支払や金額などは確定したものではありませんが。

もし分配金を受け取りながら資産を増やすとなれば、口数は変わりませんので基準価格の上昇に期待するほかありません。

分配金を受け取らない場合は、自動的に分配金で同じファンドを追加購入します。(再投資)

その分ファンドの口数が増えますので、ゆくゆくは多少の基準価格の値下がりでも投資金額をプラスに持っていけます。

投資信託をご購入に至った経緯はお客さまごとに違うと思いますし、目的もお客さまによってそれぞれ違うと思います。

投資信託をご購入して、分配金を受け取って十分ご満足いただいているお客さまもいらっしゃると思います。

でも、将来に向けて少しでも資産を増やして資産形成したいとお考えなら、分配金は受け取らず分配金の再投資(自動的に分配金で同じファンドを追加購入)で徐々に口数を増やし、基準価格の変動にも十分対応できる運用を目指したほうがいいと経験上感じています。

目的は資産を減らすことではなく、資産を増やすことなのですから。

ここまで3回にわたり過去に投資信託を販売してきた、あるいは実際に購入してみて感じた投資信託購入の注意点を、私どものブログに掲載してみました。

これからは既存の元本保証商品での資産形成では、物価上昇に資産価値がついていかないのは皆さまも十分おわかりだと思います。

今後はポートフォリオの中に、いかに上手に価格変動商品を組み込んでいくかがポイントとなってくるはずです。

皆さまの資産形成において、少しでもこのブログを参考にして頂けたら幸いです。