2016年のアメリカの大統領選のとき、大統領に就任した暁には財政赤字を解消すると宣言したトランプ大統領。

実際大統領に就任した以降はどうなのかと言えば、毎年財政赤字は増え続けています。

アメリカ財務省が10月25日、2019年度の財政収支は9844億ドル、日本円で約107兆円の赤字と発表しました。

前年度より26%増えています。

4年連続の財政赤字拡大です。

歳入では企業業績の好調により法人税や高い関税により関税収入は増えた半面、昨年から実施の大型減税が税収の伸びを抑え込む内容で前年比4.0%増ほど。

かたや歳出はというと国防費や社会保障費が膨らみ前年比8.2%増と支出が増えています。

社会保障費の増加は別として、国防費ってそんなに毎年増え続けるものなのかなって素人考えで思ってしまうのですが。

それに2018年1月からの大型減税が想像以上の税収減をもたらしています。

当初トランプ政権側では法人税を大幅に引き下げても、「企業業績の回復で一定の税収は確保できる」と主張してきました。

たしかに今回、企業業績の回復で法人税の税収は増えましたが、実際は法人税の大型減税分をカバーするほどの効果はなく、法人税の大型減税前の2017年度から比較すると2割以上法人税収が減少しています。

この税収減をアメリカ政府は国債発行による債務で補っており、トランプ政権では「支出と投資の増加を通じていずれ財政均衡に向かう」と主張していますが、現実味を帯びていないような気がします。

その結果9月末のアメリカの債務残高は過去最大の22.7兆ドル、利払い費だけで3756億ドル(途方もない数字なので日本円でイメージするときは ×100でお願いします)に膨らみました。

7月25日には今後2年の歳出上限を3200億ドル(約34兆円)まで拡大し、債務上限も引き上げる法案を成立させました。

つまり、債務はもっと増える予定です。

トランプ大統領も来年の大統領選を視野に入れて、大胆な財政出動をしかけてくるのは間違いないと思いますので、ますます財政再建路線から離れていきます。

こうなったら2期目もトランプ大統領にやってもらって、ここまで積み重ねたアメリカの債務をどう処理するのかトランプ政権の手腕を見てみたい気がするのは私だけでしょうか?(債務問題だけではないですが)

ただ、くれぐれも米国債利回りだけは気遣ってもらえれば!