連休明けの11月5日、先週から今日にかけてのニューヨーク株式市場の波が日本にも上陸し、本日の日経平均株価は今年の最高値更新の終値23251円99銭を付けました。

終値としては1年1か月ぶりの23000円台となります。

東京株式市場だけでなく、中国人民銀行による金融緩和政策をおこなった上海株式市場や香港株式市場でも大引けの流れを見せました。

20時現在はダウ先物も1時間足で上昇の動きを見せており、本日発表される経済指標の内容次第で前日同様今日もNYダウの最高値更新が見られるかもしれません。

米国債利回りも徐々に上昇してきましたので、その機運も高まります。

一番の原因は米中貿易協議の進展への期待感が高まったためでしょう。

閣僚級協議の報道では楽観的な発言が飛び出しており、11月内合意の可能性も示唆。

アメリカや中国双方においてお互いにノーガードで撃ち合ってきた関税を一部撤回を検討しているとの報道も加わり、より一層米中貿易協議の合意への進展が期待されだしました。

ここで米中貿易協議の完全合意などが伝われば、夢のNYダウ30000ドル突破なんてこともあり得ます。

ただ、忘れてはいけない事項もあります。

ひとつはアメリカの23兆ドルにもおよぶ債務残高です。

トランプ政権のもと大型減税や歳出拡大により国債発行が急増しました。

今後もトランプ政権では大規模な歳出を目指し国債発行はさらに増える見通しです。

アメリカの債務についてはFRBのパウエル議長も持続不可能になりかねないと指摘しており、景気悪化時の財政出動余力がなくなったり国債の金利上昇による利払い負担の増加リスクを懸念する声も上がっています。

もうひとつは今年3回にわたり行われた利下げです。

アメリカの経済はもともと悪いわけではなく、米中貿易協議の不透明さが景気に水を差したとすれば、今回の株高は3回の利下げでFRBの過剰な金融緩和が作り出した一時的なバブルともとれます。

しかも12月は利下げを見送る方針。

世界的な景気減速は間違いなく見られていますし、アメリカの経済指標も落ち込んでいるのは明白なので、経済指標に左右されない利下げ期待感からの株高はもうなくなるわけです。

そう考えるとどこかでNYダウは大崩れしそうな気がします。(私の懸念が外れてNYダウや日経平均がどんどん高値更新してもらったほうがいいですが)

世界中に影響をあたえてきた米中貿易協議が完全合意となれば、それは大変喜ばしいことですが、株式バブルがどこかで崩れ新しく作った経済への傷口を広げないことを切に希望します。

そうなれば、必ず日本にも波及しますので。