2020年の日本が本格的に動き出した1月6日、株式市場の今年初の取引となる大発会での波乱から5日ほど経過しました。

年明け早々にアメリカから流れてきた中東問題が引き金となり、今週の金融市場に緊張が走ったことで日経平均株価は急降下と急上昇を繰り返す日替わりのジェットコースター相場の様相を展開。

メディアに向けて報復の意思を強調していたイラン側からの攻撃がいつ始まるのか、全世界が注目していたと思われます。

そして8日未明にイラン側からの報復攻撃が報道されると、日経平均株価は一気に急降下の売り一色。

日経平均株価は一時600円以上の下げ幅を見せ、とてつもない1日を予感させましたがその後のイラン外相からの声明が伝わると買い戻しが入り、終値で370円96銭安の23204円76銭で引け。

為替はこの8日だけで最高値109円24銭から最安値107円65銭と1円50銭以上の変動をみせる相場に。

その後イラン側からの報復攻撃による被害状況が鮮明になると、報復攻撃によるアメリカ側の死傷者がなかったことや、イラン側の報復攻撃が意図的に死傷者を出さないよう配慮したことなど、全面的な武力衝突を回避すべく両国が慎重な対応を見せていることに中東問題の懸念が沈静化され木曜日以降落ち着きを取り戻してきた印象です。

9日、10日と日経平均は昨年末同様の水準まで取り戻してきていますし、為替は極端な円高の流れが薄れジリジリと円安に動きつつあります。

トランプ大統領も報復攻撃をうけた後、現地時間8日午前(日本時間9日午前1時すぎ)にホワイトハウスで声明を出し、今後の対イラン政策は武力行使ではなくあくまでも追加の経済制裁を科す方針であることを表明。

イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官殺害においては、「アメリカ人を標的とした攻撃を計画していたため、未然に防ぐための防衛策」であると正当性を主張しました。

いつも通りの攻撃的発言になるのか興味津々でしたが、冷静な発言にちょっと肩すかしぎみでもありましたが。

さすがに2期目を目指す大統領選が控えているだけに、挑発的発言から中東情勢をより複雑にし事態を悪化させれば、トランプ大統領が一番望むアメリカ経済とりわけ株価に影響がでてしまうことは避けられません。

来週には米中貿易協議において第1段階の合意署名(なんか延期になりそうな発言も出てきましたが)も予定されていますので、中東強気外交の姿勢を支援者にアピールした上で報復攻撃にはさらなる軍事力行使で対抗する「やったらやり返す」ような展開は避けたいところでしょう。(株価にも影響しますし)

そして今回の中東問題で皆さまにもっとも関わってくるのが、原油価格だと思います。

冬の季節に不可欠な暖房費などが高騰するのはあまり歓迎できませんが、年明け早々に起きた中東問題で原油価格も一気に上昇し、報復攻撃があった8日は株価や為替同様非常に大きな値動きをみせました。

ただやはり、イラン側の報復攻撃に対してアメリカ人死傷者が出なかったことやイラン側の報復攻撃に配慮があったことトランプ大統領の追加経済制裁などが伝わると、戦争回避ムードが相場に流れ、徐々に値動きが収束され落ち着いてきました。(それでも去年の6月や7月ぐらいと同等の高値水準にありますが)

来週はこのまま中東問題が沈静化してくれて、株価や為替あるいは原油価格に影響を及ぼさないことを期待したいです。

いっそのこと中東問題が収束してくれることを。

これからもっとも寒くなる冬の季節に株安・円高・原油高は日本にとって最悪のシナリオですから!