40代の奥さまが生命保険のご相談にいらっしゃいました。

今現在は生命保険のご利用はなく、ちょっと考えたいとのことで私どものお話をお聞きいただきましたが、まずは今後の入院などに備えたいとのご要望でしたので医療保険のご案内から始めました。

終身医療保険60日型で全期払(終身払込)、10日までの入院は一律5万円で10日以上の場合は5万円プラス5千円の日数分を入院給付金をお支払いするベーシックプランです。

もちろん手術給付金もついておりますので入院がともなう手術では20倍の10万円、入院しない外来での手術が2万5千円の手術給付金となり、そこにご要望が多い通院特約5千円をプラスさせてご案内いたしました。

1日入院しても10日入院しても5万円の短期入院定額特則を外すこともできますが、以前入院給付金の手続きをおこなったお客さまなのですが、このお客さま夜遅く救急車で救急外来に運ばれ2日ほど入院。

その時の領収書を見せてもらったのですが、請求額は4万円を超えていました。

不測の事態を考えるのが生命保険ですので、私どもの経験上なるべく短期入院特則を付加した内容でお話するようにしています。(外せば日額5千円×入院日数となります)

今回ご相談にお越しいただきましたお客さまのプライバシーがありますので、実際のお客さまの年齢とは違いますが、ご提案させていただいた内容を45歳女性でシュミレーションしますと全期払で3127円、70歳までの払込にしますと4472円、もうちょっと払込期間を短くして65歳までの払込にしますと5317円となります。

このプランはあくまでも私どもが考える医療保険のベーシックな内容となりますので、がん治療や心疾患、脳疾患のときの一時金や介護一時金を付加したり女性特有の疾病にはさらに上乗せして給付金が支払われる女性疾病入院給付特約、あるいは死亡保障を付加したりなどお客さまのご要望やご予算に合わせた設計が可能となっています。(もちろん保障を上乗せすると保険料もアップしますが)

とくに心疾患や脳疾患の特約ですが、今私どもで取り扱わせていただいております生命保険会社さんの医療保険は、他社さんと比較して病名を限定しておりません。

他社さんの医療保険のパンフレットを見ますと3大疾病の給付金支払い条件に急性心筋梗塞や脳卒中など、病名がハッキリと記載されているケースが多く見受けられます。

3大疾病の保障をご検討なさっていただいている方がいらっしゃいましたら、3大疾病の給付金はパンフレットに記載の病名だけなのか、それとも心疾患や脳疾患のように治療内容で給付されるのかを確認していただくことをお勧めします。

お客さまにはひと通りご説明をさしあげまして、パンフレットと設計書を受け取っていただきお帰りになりました。

十分ご検討していただければ。

今を生きるのであれば医療保険などをご利用いただかなくても、生きていけると思います。

ただこの先はどうでしょうか?

1983年(昭和58年)1月までは70歳を過ぎると医療費は無料でした。

今はどうでしょうか?

現在通常国会の会期中ですが、「桜を見る会」や「IR(カジノを含む統合型リゾート施設)法案」あるいは「新型コロナウイルス」への日本政府の対応などに目がいきがちですが、安部政権が掲げる全世代型社会保障制度改革の関連法案が今国会を通過すれば75歳以上の方も医療費の自己負担が2割となるでしょう。

私どもがまだ会社勤めころの2003年(平成15年)3月までは医療費の自己負担は2割でした。

その後医療費の自己負担は3割となりましたが、今後どこかで現役世代の医療費自己負担を見直す機会がやってくるかもしれません。

近所の最近新しく生まれ変わった総合病院も、入院時に差額ベッド代が発生する4人部屋が中心となっているようですし。

この先の日本がどんどん社会保障が良くなっていくとお考えの方はあまりいないと思いますが。

とくに女性の方はご結婚なさればフルタイムで仕事をなさっていても、ご自宅に帰れば主婦となりますし、お子さんが生まれればお母さんとしてのやらなければならないことがまた一つ増え、最近では小泉環境大臣のような男性も増えたかもしれませんが、やっぱりお子さんを育てるとしたらお母さんの存在抜きには語れないでしょう。

そんな中、奥さまが体調を崩してしまったらどうします?

一日二日はなんとかなるとしても、それが入院1週間や10日あるいはそれ以上となったら。

退院なさったとしても、そこからしばらく通院が続くとしたら。

もし私どもにこのようなことが起きたら、みるみるうちにお金が無くなっていくような気がします。

今後考えられそうな医療費の自己負担が4割以上や、医療費だけではなく差額ベッドや食事代あるいは雑費など関係費の上昇など、入院時や通院時の負担をケアするには余りある貯蓄をもっているか医療保険に加入するかぐらいの対策しか私どもは思いつきません。

私どもがながらくの生命保険業界に席を置いてきて見てきた現状は、大体のケースにおいて旦那さまが体調を崩されたときよりも、奥さまが体調を崩されたときのほうが家計面での影響が大きくなることです。

旦那さまが体調を崩されたとしても奥さまが献身的に看病していただけると思いますが、逆に奥さまが体調を崩されても旦那さまが看病にあたることは難しいことではないでしょうか。

なかには仕事を度々休んで奥さまの入院に付き添ったり通院のたびに送迎したり、自宅での看病や家事育児を無難にこなす旦那さまもいらっしゃるかもしれません。

そういう男性が増える風潮の日本も悪くはないかもしれませんが、なかなか旦那さまが奥さまのすべてを献身的に看病するのはそれなりの覚悟がお二人に必要でしょう。

今を生きることも非常に重要なことですが、今後想定される未来を見据えたとき必要となりそうな部分をご納得いただける内容や金額で備えておく。

そういった意味でも生命保険はご加入してすぐ使うものではありませんが、将来の不安を少しでも和らげるために現状から考える商品だと言えるでしょう。

世の旦那さま方、奥さまの看病はできますか?