昨日までの寒さがウソのような暖かな日差しが降りそそぐ、穏やかな日曜日。
もう早いもので3月に入りました。
穏やかで暖かい日差しを外で感じていると、不思議なことに新型コロナウイルスへの感染拡大への脅威や先週5日間株式市場を闇の中へと突き落とした大暴落など、何もなかったようにも思えてきます。
多くの個人投資家の資産を焼き払ったと思われる、先週の月曜日から5日間にわたって続いた株式市場で急激な速度で進行した大暴落。(私も焼き払われた一人です)
ふだん株式や為替、米国債利回りなどに仕事上関わりの薄い方々やご自分の資産を株式取引や為替取引で運用していない方々には、「暴落、なにそれ?」と言われるかもしれませんが、つねに為替や米国債利回りと関係が深い外貨建て商品を販売している私どもとしましては、けっこうな大事件が身近で起こっている印象です。
昨年10月からコツコツ上昇してきたNYダウは、先週月曜日から毎日のように1000ドル(約110000円)以上も下落を続け、いとも簡単に昨年10月の水準まで逆戻り。
それに伴って米国債利回りは、いまだかつて見たこともない1.156%なんて数字を記録。
もちろん日経平均株価も先週月曜日から毎日落ちまくって2万1千円割れの展開までに。
金曜日にはあわや2万円割れを見せてしまうのかという水準まで落ち込みました。
為替に関しては、ここまで日本やアメリカの株が落ち込むと1ドル105円や昨年8月に見られた104円台なんてことが通常起こり得るのですが、今回はリスク回避のドル買い傾向もあり107円中盤から108円台と極端な円高にはなっていません。
それだけ今の日本は信頼性に欠けているということでしょう。
それでも突然2円40銭ほど急騰した2月19日や20日の112円台からしてみれば、フラッシュ・クラッシュに近いような怒涛の落ち込みです。
この連日続くNYダウの大暴落に見かねたFRB(アメリカの中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会)が現地時間の金曜日に動き出します。
FRBのパウエル議長が緊急会見を開き、ここで今の事態を治めるべく早い段階での政策金利の引き下げ「利下げ」を示唆するような声明を発表したことでNYダウはようやく下げ止まり一旦反発し始めます。
このチャートの動きが、これでセリング・クライマックス(一斉に売り込まれ大暴落すること)からの大底を付けた状態からの反発と見るべきか?
はたまた株価が大底でのもみ合いを始めるのか?
それともさらなる下落局面に発展するのか?(WHOも遅すぎる緊急事態宣言をようやく発動、そして中国では2月の製造業PMIが過去最低の35.7ととんでもなく悪い数字が発表されました)
今回の大暴落劇は株や為替あるいは米国債利回りに関心がなくても、リーマン・ショック時のように今後皆さまの日常生活へ直接影響してくる可能性もはらんでいます。
来週以降金融市場がどのような方向へ向かうのか、そして新型コロナウイルスの感染拡大はどこまで影響をおよぼすのか、2月中旬から2月終わりにかけてまったく予想も出来ない展開ばかりが起こっていますので、状況がはっきりするまでここは静かに傍観していたほうが良さそうですね。
早期の利下げ観測が強まったことで、外貨建て商品をご検討いただくにはまた一歩好機となりましたが。