とどまるところを知らない日本国内での新型コロナウイルスへの感染者。

全国すべての小学校から中学校そして高校に休校を要請するなど、安倍総理の対応に賛否両論が渦巻く中、それでも通常国会中の安倍政権は懸案の社会保障制度改革を進めていきます。

2020年3月3日、パートなどの短時間労働者への厚生年金の適用拡大などを含む年金制度改革関連法案を閣議決定し、今国会での提出および法案成立を目指します。

2016年10月から一定の要件を満たしたパートなどの短時間労働者への厚生年金適用を拡大、2017年4月にさらに適用条件を広げるなど厚生年金への加入者拡大路線をとってきました。

もともとはパートやアルバイトであっても、一般社員と同じ勤務時間だったり労働時間が週30時間以上働いているパート労働者などへ厚生年金の加入を適用していましたが

① 週20時間以上働いており、月額賃金8万8千円以上

勤務期間1年以上の見込み

学生は適用外

④ 従業員規模501人以上の企業

以上のように2016年10月に適用を拡大。

さらに、①から③の条件であれ従業員500人以下であっても

・ 民間企業は、労使合意に基づき適用が可能

・ 国や地方公共団体は適用

と2017年4月から文言が加わりさらに厚生年金への適用を拡大していきました。

そして今回、パートなどの短時間労働者への厚生年金への適用拡大の焦点が、従業員501人規模の企業から2022年10月より従業員101人規模の企業への厚生年金への加入を適用、そして2024年10月には従業員51人規模の企業まで、段階的にパートなどの短時間労働者を厚生年金への加入に適用していく法案です。

この法案によって将来の公的年金受給額を手厚くするとともに、新たな厚生年金への加入者が増え公的年金の財源も確保する狙いがあります。

厚生労働省の有識者の中には「企業規模(従業員数)の要件を撤廃すべき」という声もあるようですが、厚生年金は保険料を企業と加入者でそれぞれが半分ずつ負担しあう仕組みなので企業側は猛反発。

そもそもこのパートなどの短時間労働者への厚生年金を適用拡大する法案には、企業側としても人件費拡大と難色を示していただけに、法案成立後の実際に適用された場合の企業への影響も懸念され始めています。

パートなどの短時間労働者への厚生年金適用拡大は、働く側としても健康保険の適用や税制面などを踏まえて、いままでの国民年金の第3号被保険者制度(多少収入のある専業主婦的な)を変えつつあるようにも思うのですが。

パートで働く方は奥さまが多いような気がするので、旦那さまも含めご夫婦での年間の収支や税制面でメリットもデメリットも思い浮かびます。

このパートなどの短時間労働者への厚生年金適用拡大法案は、この先企業側の雇用体系の変化やパート労働者の働き方あるいはライフスタイルの変化など、お客さまがライフプランを描くうえでちょっと変革期がやってきそうな、そんな印象が湧いてきました。

パートなどの短時間労働者への厚生年金適用拡大には、今後も動向を注意していく必要がありそうですね。