おかしい⁉

絶対におかしい⁉

いまの金融市場は異常事態としか思えません。

突然ドルが2円40銭ほど急騰した2月19日から始まり、日本の景気指数の悪化もあってリスク回避のドル買いが囁かれ始めましたが、実際に為替でドル高のピークとなったのが2月20日に付けた1ドル112円22銭で次の日からは反落、2月24日から始まったニューヨーク株式市場での急激な速度での暴落に歩調を合わせるかのように円に対するドルも急激な速度で値を下げていきました。

気づいてみれば2月20日に付けた112円22銭からは7円以上も下げて105円中盤から前半に推移、3月6日には105円割れの104円台に突入を見せるなど安全資産としての円買い傾向がないわけではありません。

そしてニューヨーク株式市場ですが悪夢のような暴落ウィークとなった2月の最終週、いったいどうなることか注目が集まる中、翌週3月2日にはNYダウ史上初の1293ドル96セントという強烈な上げ幅を記録、回復の兆しなのかと思われた翌日3日は785ドル91セントの下げと再び落胆していると、4日には1173ドル45セント上げと再び1000ドル以上の上昇、ただ次の日5日には1000ドル近い下げの969ドル58セント安、そして週末6日の金曜日も256ドル50セント下げと、ジェットコースターのような急激な値動きを繰り返しています。

すでにNYダウは2月27日から28日あたりの水準まで戻りました。

株価も為替も過去にこのような急激な落ち込みになった相場はいくつもありました。

たとえば温床経済の終焉といわれた2018年2月の暴落や、2018年12月トランプ大統領が移民対策でメキシコ国境に壁を作ろうとしてアメリカ議会の下院に予算を請求したところ、下院ではトランプ大統領の予算額を認めず業を煮やしたトランプ大統領が議会の通過した予算案に大統領としての署名を拒否、その結果1か月以上にも及ぶ政府機関の一部閉鎖が続いた「トランプ大統領からの最悪のクリスマスプレゼント」と揶揄されたとき、そして2019年8月米中貿易協議があまりにも進展しない状態において、中国の関税措置にキレたトランプ大統領がさらなる上乗せでの追加関税を発表したときなど、直近でもいくつも株や為替の乱高下を見てきました。

ただ、さきほど挙げた株や為替の大きな相場での落ち込みの時と、今回起こっている株や為替の落ち込みはちょっと違う部分が見られます。

米国債利回りの異常な低下です。

かつては先進国の中でも高い利回りを誇っていた米国債ですが、昨年あたりから米中貿易協議が進展しないまま中国への関税が徐々にアメリカ経済を侵食していった部分と、トランプ大統領のFRB(アメリカの中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会)に対するたび重なる政策金利の引き下げ「利下げ」要求もあり、小規模ながらも政策金利の引き下げ「利下げ」をおこなってきました。

その影響もあって米国債利回りも低下していきましたが、それでも1%を割り込むなど考えられないことでした。

2月24日から続く株価の大暴落に見かねたFRB(米連邦準備制度理事会)が2月28日に緊急会見をおこない利下げを示唆、3月3日に臨時のFOMC(米連邦公開市場委員会)を開き緊急利下げを決定。

FRB(米連邦準備制度理事会)が緊急利下げを発表しても、ニューヨーク株式市場では反応が薄いのにはちょっとビックリですが。

それでもFRB(米連邦準備制度理事会)が発表した3日時点で、米国債利回りが1%を切ったりまだ戻ったりでまだ望み見えています。

翌4日も昨日よりは変動が少なく1%前後で推移。

ところが5日になると1%台にとどまることが出来ず、ズルズルと下がっていきます。

そして昨日6日には誰もが見たこともないであろう0.657%まで下がり、終わってみれば0・767%。

いくら緊急の利下げに踏み切ったとしても、これ高利回りを誇ったアメリカ国債10年物の利回りですよ。

昨日6日はアメリカの景気の現状を示す2月の雇用統計や失業率、ISM非製造業景況指数など、重要な経済指数が発表されたのですが実は非常に良い結果だったにもかかわらず株や為替あるいは米国債利回りには反応が見られませんでした。

オーストラリアやなかなか利下げしない国で有名なカナダなどは4年8か月ぶりの利下げを発表、来週以降もユーロ圏での利下げやアメリカFRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げなど、各国でこの経済危機を乗り越えようとする動きがみられるはずです。

となれば、さらなる円高局面となることが考えられます。

そして米国債利回りを見ていると、株価もまだまだ底を見せていないような気がしてなりません。

ひとつだけ確実に言えることは、いま株や為替をトレードしないほうが賢明です。

まったく相場が見えてきていませんので!

ちょっとした明るい兆しが見え隠れするまで静観していたほうが良さそうです。

それにしても日本はマイナス金利を導入していますので、経済危機は政策金利の引き下げで対応できません。

ドンドン追い込まれていくだけに見えます。

これでオリンピック中止になんてなれば、バブル崩壊時のようになかなか這い上がれないことになってしまいそうですが!