「落ちてくるナイフは掴むな」
3月第1週目の株や為替の相場で起きた混乱など予兆に過ぎなかったほど、毎日が暴騰と暴落を繰り返す異常な相場となった3月の第2週の金融市場。
ニューヨーク株式市場で1000ドル(1ドル100円で計算すると10万円)の変動はもはや当たり前、2000ドル以上の値動きを見せることも。
滅多に聞かない7%以上変動すると発動するサーキットブレーカー(取引停止)がこの一週間に何度発動したことか。
当然ニューヨークだけでなく東京株式市場でも400円から500円そして1000円以上の値動きを見せています。(ニューヨークは暴騰・暴落ですが東京は暴落するいっぽうです)
為替相場においても1日に1円動くか動かないかでせめぎあっていたドル/円が、普通に2円から3円あるいは4円も平気で動く世界に。
いままででは考えられないほどの非日常的な現実が、ごく当たり前のように繰り返されました。
まったくこの先どうなるのかわからない、まさに五里霧中。
だいたい株価や為替が底打ちしたであろうと思わせて、あるいはこの辺の高値で止まるだろうというところから値が再び動き出しますから、経験則からの判断ができません。
ちょっと良さそうなチャートの波形をしているなと注視していると、思いもよらぬ方向へビックリするような速さで進むので、もしエントリーしていたら高確率で大きな含み損を抱えただろうなという展開を先週から今週終わりにかけてイヤというほど見てきましたので。
2つ前のブログでも掲載しましたが、こんなイレギュラーで極端な相場では静観するのが一番です。
そして各国も金融市場の異常事態を収拾すべく、金融政策による相場の沈静化に乗り出します。
長きにわたりマイナス金利政策をとっている日本はETF(指数連動型上場投資信託)の買入れ拡大による株価の底上げぐらいと非常に打つ手が限られていますが、アメリカはここで思い切った政策金利の引き下げ「利下げ」に打って出てくると見込まれています。
3月3日にアメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)が0.5%ほど緊急で政策金利の引き下げ「利下げ」をおこなったばかりですが、3月17日から18日にかけてのFOMC(米連邦公開市場委員会)において0.75%から1%ほどのさらなる政策金利の引き下げ「利下げ」を発表するとの見通しです。
3月3日に0.5%の緊急利下げをおこなったので、現在のアメリカの政策金利は1%から1.25%。
かりに1%の利下げをおこなうと0%から0.25%と限りなくゼロ金利に近い内容に。
アメリカは今回の新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした他に類を見ないリーマン・ショック級の歴史的な金融危機に、先進国としては他の国より利下げ余地があるとはいえ、これ以上利下げできないようなレベルまで政策金利の引き下げてアメリカ経済の減速を防ぐ選択に出るようです。
こっから先のマイナス金利政策は日本はおろかドイツやイタリアなどが低成長であえぐ姿をアメリカも認識しているはずなので、ある意味今回のアメリカFRB(米連邦準備制度理事会)における政策金利の引き下げ「利下げ」はひとつの賭けかもしれません。
惜しむらくは昨年トランプ大統領の圧力と米中貿易協議での関税の撃ち合いで疲弊したアメリカ経済を立て直すべく、予防的利下げに踏み切らざろう得なくなったFRB(米連邦準備制度理事会)。
もし昨年の利下げがなかったら、もうちょっと余力をもって今回の金融危機に大胆な金融政策で対応できたと思います。
だだ、3月3日にFRB(米連邦準備制度理事会)が打ち出した緊急利下げが、あまり株式市場や為替市場でダイレクトな反応が見うけられなかったのがちょっと気がかりです。
3月17日から18日におこなわれるFRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で比較的大きな政策金利の引き下げ「利下げ」が発表されても、株や為替などの金融市場では反応が薄いとなれば、いよいよ米債券利回りが示すとおり深刻なリセッション(景気後退)へと突き進みそうですが。
来週も一向に収束しそうにない新型コロナウイルスへの感染を予防しながら、各国の金融危機への対応を注視し、ちょっとやそっとで落ち着きそうもない金融市場を静観して下手に株や為替のトレードは控えた方が良さそうな雰囲気です。
これは私の勝手な予想ですが、今回の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)から始まった史上類を見ない暴騰・暴落が毎日どこかで起きる相場は、新型コロナウイルスへの有効な対処法などが確立されるまで暴騰・暴落の規模は縮小するかもしれませんが今後も金融市場で続くような気がします。
それまで日本はもちろんのこと世界の経済が持ちこたえてくれることを切に希望したいですね。
追伸、再選を目指すトランプ大統領もけっこうヤバい展開に見えますが!