日本中が新型コロナの第2葉を警戒する中、パートさんなどの短時間労働者への厚生年金適用を最大の焦点とした年金制度改革関連法が5月29日、参院本会議で与野党の賛成多数により可決、成立しました。
2022年4月より従業員501人以上の企業で週20時間以上働くパートさんなどが厚生年金への加入適用となり、2022年10月にはさらに従業員101人以上の企業へ、そして2024年10月からはは従業員51人以上の企業へと段階的に厚生年金加入の適用を増やしていく予定です。
医療制度改革は秋の国会へと先延ばしされましたので、てっきり年金制度改革も先延ばしされると思ったらそうではなく、しれっと成立してしまいました。(野党との攻防もなく)
パートさんなどの短時間労働者を厚生年金に適用することで、世代間扶養の公的年金制度の支え手を増やすことが狙いです。
このパートさんなどの短時間労働者への厚生年金適用、働く方々にもいろいろ影響が出てきますが、それよりも雇用する企業側への負担をあまり考慮していないようにも見受けられます。
もともと厚生年金保険料や健康保険料については、いずれも保険料を企業側と働く側で半分ずつ負担しあって成り立っています。
パートさんなどの短時間労働者も厚生年金加入要件を満たせば厚生年金保険料の負担が出てきますし、もちろん同様に企業側にも負担が出てきます。
いままでパートさんの比率が高い企業にしてみれば、今後いままで発生していなかった別の人件費が発生するわけで、それだけで企業収益を圧迫しそうです。
ただでさえ新型コロナの影響で疲弊した今の日本において、この先の成り行きも不透明な時期にパートさんの厚生年金加入による保険料負担が今後やってくることを思うと、企業経営も明るい見通しが見えずらいかもしれません。
企業がパートさんを雇用する形態も間違いなく変化してきそうですが、どうせ法案は成立してしまうんだし、今決めずに年金制度改革も秋まで持ち越せば多少企業側の顔色も違っていたかもと、勝手に思い込んでおります。