どう見ても世の中が景気よさそうには見えませんが、ここのところ株式市場では確実に高値を切り上げています。
もう「3月の第2週目って何かあった?」と思わせるようなレベルまで回復してきました。
新型コロナウイルスの感染拡大で各国の経済が急激に減速していくなか、日銀は3月18日からの金融政策決定会合を前倒しして3月16日におこない、ETF(指数連動型上場投資信託)など年間で最大12兆円もの資産買い入れを決定しました。
その後、日経平均株価はもみ合いながらも徐々に値を上げ、3月中旬に16000円台だった株価が4月30日には20000円台を回復、5月のゴールデンウイークが過ぎ徐々に「緊急事態宣言」の解除が見え始めると大崩れすることなく1日1日と階段を踏みしめるようにコツコツ上昇して5月終わりには21000円台後半へ。
そして昨日2020年6月5日の終値が22863円73銭と23000円台目前まで迫ってきました。
急激な上げ下げがあるわけでもなく、1日200円台から500円台ほどの上昇幅と下げても300円台にとどまり、何日も下げることなく一日二日過ぎるとまた上がる堅調な相場展開を見せています。
実際1日1日じっくりと上昇していくようなチャートを形成するときは、上昇に向けて強い流れができている場合が多く、株価が上昇傾向だったことがよくわかります。
株価も最終的には上がるか下がるかを判断する商品なので、いろいろな情報やチャートを分析したりして予測を付けるのですが、世の中が新型コロナで疲弊しているときここまで値を戻してくるとは思っていませんでした。
いくら日銀が1日あたり2000億円の資産買い入れをしたとしても、今の状態で企業決算が良いわけもなく、出てくる経済指標も悪化の一途を辿っています。
一時株価は上昇してもまた低迷するのではと思っていました。
ところが株式相場ではそんな悪材料どうやら織り込み済みらしく、日銀の買い支えとその流れに乗りキャピタルゲイン(売買益)を目指す機関投資家、そして割安感を得た株式市場への新規参入投資家も加わり、新型コロナの影響で先行きが不透明になった日本経済の中にあって、かつてないようなしっかりした株価の上昇局面を作り上げています。
2020年3月9日から約1週間ほど続いた世紀の暴落劇。
そしてほかの暴落も知っている投資家からすれば、今回の株式相場は二番底を十分に警戒させる危うさも放っていたと思います。
そういった相場を知っているからこそ二番底を警戒した投資家にとっては完敗の株式相場となってしまいました。(あの世界的な投資家 ウォーレン・バフェットも株を投げ売りしてますから)
今回の株価上昇、日経平均株価に限ったことではなく、NYダウやナスダック(2020年6月5日最高値更新しました)、S&P500や欧州株も各国の金融緩和政策により上昇傾向となっています。
そして今回の株価上昇を「コロナバブル」と呼ぶ人も。
呼び方は何でもいいですが、バブルはいつか弾けます。
バブルが弾けることを望むわけもなく永遠の株価上昇もありえませんが、できればこのまま株価が安定して新型コロナで遠のいた普段の日常に、株式市場が一番早くたどり着いたことになってくれたら、そこに希望を見いだす人たちが必ずいますので。