昨年大々的に話題となった郵便局を辞めてもう5年ほど。
いまだに郵便局を辞めたことは後悔していません。
むしろ、もっと早く辞めておけば良かったとさえ思っています。
郵便局にいたときでは経験できないようなことを、たくさん経験するようになりましたから。
でも郵便局を辞めてとりあえず収入がなくなったわけですから「生活しなければ!」となったとき、真っ先に思いついたのが「失業保険」です。
そのときはハローワークにいって請求すれば簡単に受給できるものだと思っていました。
ところがどっこい、そんな生易しいものではありません。
私のような自己都合で仕事を辞めた場合、失業手当を受給されるのは3か月後以降からということをはじめてしりました。
そのうえ、次の仕事を見つけようと積極的な求職活動をしているかなど、月に2回の「求職活動実績」を求められます。
もう何もかにも知らないことだらけ。
郵便局を辞める前に何社か当たってはいましたが、その時点で再就職先は決まっておらず、さまざまな場所や方法で就職先探すため、私の経歴や資格などを登録してまわりました。
そうすると不思議なことにビックリするぐらいオファーがきます。
私には的外れのような「学習塾経営」から「コンビニのフランチャイズオーナー」、はたまた「牛乳の営業」まで。
けっこう盛りだくさんだったような気がします。
一番多かったのが、なぜか大〇建託や東〇コーポレーションなどの不動産業。
もちろんその中には生命保険業界からの求人もありました。
日本最大手の生命保険会社の代理店営業職やアヒルのところの代理店など。
そしてそのひとつが、たぶん日本で一番有名な来店型保険ショップ 「ほ〇んの窓〇」。
興味があったので実際に東京まで面接にいってきました。
最初にパソコンで適性試験っぽいことを受けその内容がさっぱりわからないまま次は面接と、矢継ぎ早に進行していきますが、内心最初に受けた適性試験らしき設問がぜんぜん出来なかったため「もうこれはダメだな!」と思っています。
その次にショックだったのが、面接を担当していただいた方からの「生命保険業界に勤めた経験のある方はあまり採用しない。」という言葉。
「じゃあ、なぜ呼んだんだー!」と叫びたくなるような気持ちを抑え、最後まで話を聞くと「生命保険を販売した経験のある方は自分なりの販売手法というか自分の販売したいように話してしまう。我々は生命保険の販売経験のないまっさらな状態の社員全員に対して、共通の統一した話法でお客さまにご説明差し上げることを目指している。」
なるほど、40種類もの生命保険を販売するうえで「こっちの商品はこうで、あっちの商品はこうだから」と、偏った商品説明にならないよう各商品まんべんなく販売しないといけない。
それには個別の商品に対して先入観や商品ごとの優位性などを持っていては取扱商品の販売件数に差が出てしまう。
私みたいになまじ商品知識があるような人間では、どの商品もバランスよく販売することは難しいでしょう。
そういった意味では生命保険などまったく知らない白紙状態の社員のほうが、何十種類もの生命保険商品を扱う会社のプランナーとして育成しやすいかもしれませんし、ご説明する社員側も研修段階で「生命保険とは複合的に組み合わせていくもの」というスタンスのもとで販売を学ぶわけですから違和感は感じられないかもしれません。
その日は落胆したまま「特急 スーパーひたち」に乗って帰ってきたのを憶えています。
結果は予想通りの「不採用」。
いま思うとそれでよかったかもしれません。
お客さまにご案内したい商品は自分の信じた商品で十分ですから。(負け惜しみではありません!)