郵便局にいた当時はそれはもう取り扱っている商品をなんでも販売しなくてはいけませんでした。

「かんぽ生命の商品」や「金利のほとんどつかない定額貯金」は言うに及ばず、「アヒルのところのガン保険」や「東〇海上の自動車保険」、「投資信託」に「住〇生命の引き受け緩和型保険」、「三〇プライマリー生命の変額年金保険」と。

夏には「かもめーる」に「お中元」、冬には「年賀状」に「お歳暮」。

そのほか、「さんまゆうパック」に「敬老の日ゆうパック」、1年間毎月届く「新鮮便」などのイベント小包。

レターパックや切手・はがきにいたるまで。

ひとつひとつに指標が決められ、どれかに特化するのではなく何でもまんべんなく売ってくる職員が優秀な職員。

私みたいに「あれもダメ、これもダメ!」みたいな職員では毎日叩かれまくり。

今こうしてみると、「こんな世界でよくやっていたな!」と我ながらちょっとビックリです。

そんな郵便局にサヨナラを告げ、新たな人生を送るべく「50歳を前にした就活」が始まったわけですが、前回ブログで掲載しました「来店型保険ショップ」の採用面接を受ける前にも数社ほど採用面接を受けています。

その中のひとつが茨城県に支社のある某大手外資系保険会社です。

採用担当のマネージャーさんと何度かお会いし、熱心にオファーをいただきました。

ただ、ほかにも採用面接を控えていましたのでひと通り面接が終わるまで待っていただきました。

まあ、ほとんど不採用でしたが。

採用条件に年齢制限があり本来であれば私の年齢では入社が難しかったのですが、なぜか採用に向けて話がトントン拍子で進み、採用担当のマネージャーさんや支社長の熱意もあり最終的に自宅から150㎞ほどの距離にある茨城県の某大手外資系保険会社の支社に入社を決めた次第です。

採用が決まり入社をしても別に特別扱いされることもなく、どんな経験があろうとここからはまったくの新人扱い。

ほどなくして保険のほの字も知らない純粋な気持ちのキラキラした目の若者たちといっしょに、一から生命保険というものを学び直す生活を約1か月ほど。

そして実践へと向かうのですが、もうすべてが今までと一切違います。

服務規律や労働条件、勤務時間や福利厚生まで。

郵便局のメイン商品であるかんぽ生命の保険をご説明するのと同様、某大手外資系保険会社の生命保険をご説明することには変わりありませんが、月初めや月末、月曜日や重要なミーティングを行う日などは会社へ向かいますが、そのほかは出勤することがありません。

勤務時間もあってないようなもの。

曜日に関係なく土曜日だろうが日曜日だろうが祝日だろうが、時間帯も関係なく活動できます。(非常識な時間帯は除きます)

「郵便局でやってきたことは、いったい何だったんだろう」と思うほど自由度の高い職場環境に衝撃を受けました。

そしてかんぽ生命を上回る商品のクオリティに。

やっていることはほとんど変わりませんが新たな生命保険の募集スタイルとともに、「ご紹介」や「マーケット開拓」など郵便局ではまず経験できなかったであろう事をたくさん経験することになりました。

仕事に「楽しい」なんて言葉を使うべきではないと思いますが、この時がもしかしたら生命保険をご案内してきた時間の中でもっとも充実していたかもしれません。

じゃなぜそこを辞めたのかって?

支社長が変わり、突然「月曜日から金曜日の毎日、朝9時に出勤しなさい!」ということになったからです。

それがなかったら今でも150㎞ほど離れた茨城県の某大手外資系保険会社にいましたよ!