生命保険をお考えいただく理由はさまざま。

「結婚したから万が一のときのために」とか「子供が生まれたから遺族保障を考えて」とか。

なかには今話題の「いつ新型コロナに感染してもおかしくないから」など。

そんなとき、知り合いやお父さんお母さん経由で生命保険のご案内をお聞きいただくケースが多いかと思います。

そんなご案内する側の人間に「ファイナンシャルプランナー」を名乗る方々がいます。

ファイナンシャルプランナーとは元々、お客さまから収支・負債・家族構成・資産状況などをお聞きし、その情報を基に教育・住宅・老後など将来の不安要素を取り除くべく、資金計画の立案やアドバイスをおこなう業種を指します。

ですので、さまざまな金融商品に基づいた知識や経験が必要とされます。

ただこのファイナンシャルプランナーという肩書、生命保険の業界では当たり前のように名乗っている方がいるのですが、じゃあ、実際にお客さまにどのようなご案内をしているのかといえば、最終的に取り扱っている生命保険商品に誘導しているだけだと思います。

思いますというのは、私自身が直にそのファイナンシャルプランナーのご説明を聞いたわけではありませんから。

それでも、そのファイナンシャルプランナーの肩書を持つ方が所属している、あるいは代理店は生命保険会社。

決してさまざまな金融商品を取り扱っているわけではありません。(かえって銀行のほうがさまざまな金融商品を取り扱っているわりにはファイナンシャルプランナーを名乗らないような気がします!)

ということは、ファイナンシャルプランナーを自負しているのに、最終的には生命保険しかご説明しないことになります。

つまり、ライフプランをご相談しても解決策の提案は生命保険。

それでお客さまがご納得なら問題ないですが、見てきた世界はお客さまがあまり知らされていない商品加入理由。

どういうことかというと、30代男性で既婚、お子さん1人。

遺族保障に2500万円ほどの保障額をご加入中。

お子さんのために将来の貯蓄をと知り合いのファイナンシャルプランナーの肩書を持つ方に相談したところ、貯蓄性が高いからと死亡保障付きの変額保険をお勧めされご加入、お支払いいただく期間は30年以上先まで。

ちょっと待って。

その死亡保障って必要?

死亡保障が必要ないなら保険じゃなくてもいいよね。

利息は期待できないけど、貯金だって積んだ分くらいは確実に貯まっていくけど。

下ろしたいときに下ろせるし。

もっと踏み込んだご説明を聞いて頂けるのなら、積立型の投資信託だっていいよね。

もし本当に投資信託の購入に前向きだったら、銀行にお客さまといっしょに私も行って説明受けるし。

その前にお子さんのために払い戻したいとき、手続きお願いできるの?

それまで生命保険業界にいるの?

まあ、こういう光景は残念ながらよく見ることがありますが。

私どもも基本は生命保険代理店。

結局はお勧めする商品といえば生命保険にはなりますが、お客さまのご要望やライフプラン、ご加入目的に合わない商品はお勧めしないようにしています。

だって、「外貨建て保険」や「変額保険」の積立効率がいくら高くても、つまるところは生命保険。

そして、あくまでも保障性商品。

生命保険と考えて頂かないと保険費用が必ず付いて回るので、貯蓄性では純粋な「外貨貯金」や「投資信託」には太刀打ちできませんから。

広い金融業界の中には、それぞれの金融商品に精通し、さまざまな金融商品を取り扱い、お客さまのご要望やライフプランを本当に思い、各金融商品の特性を活かして効率よくライフプランにフィットさせるような、しっかりした資金計画や適切なアドバイスをおこなうファイナンシャルプランナーの方もいると思います。

ただ少なくても、私どもが見てきた世界では違います。

最初っから保険しか説明しないのなら、ファイナンシャルプランナーなんか名乗らず「ただの保険屋」でいいんじゃないの。

と、

いつもファイナンシャルプランナーを名乗る方々を見かけるたびに勝手に思ってしまいますが。

やっていること、ほとんど同じだし。

皆さまも保険だけ取り扱うファイナンシャルプランナーにライフプランなどをご相談した際は、「最終的に生命保険をお勧めいただく前提」だということだけ覚えておいてください。

でないとガッカリしますよ!

追伸、私どももファイナンシャルプランナーを名乗れるくらいの資格は持っていますが、人の数だけライフプランがあるのに、とどのつまり生命保険しかご契約できない人間がファイナンシャルプランナーって、カッコ悪くないですか?