2008年9月、不動産価格の上昇とともにサブプライム・ローンの証券化を推進し、リスクを背負うことでアメリカでも第4位の規模まで成長した証券会社・投資銀行のリーマン・ブラザーズ。

しかし、その最後は不動産バブルの衰退により姿を消していくことになります。

あとに残ったものは手が付けられないほどに膨れ上がった巨額の負債。

しかしそれは、破綻したリーマン・ブラザーズだけではなく、主要メガバンクにも大きな痛手を共有することになります。

信用力が低下した投資銀行は救済を求め再編の流れが加速。

その流れはユーロ圏にも波及し、大手都市銀行が次々に国有化されていきます。

「もうどうなるんだろう?」。

危機感があふれ投機系金融商品が投げ売りされるなか、各国がとった対応はいまと同じような資金投入でした。

そのなかでもアメリカ政府はリーマン・ブラザーズの破綻申請からわずか数週間で7000億ドル(日本円にして約74兆円)ほどの公的資金を準備。

同時にアメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)は、銀行が保有する国債などの金融資産を大量に買い取り資金をドンドン流していきます。

そしてゼロ金利政策。

このときに「世界中の森林が無くなるのではないか?」といわれるほど全世界でお金を刷りまくりました。

おかげで強い下落基調にあった株式市場も2009年3月あたりから下げ止まり、V字回復を見せ始めます。

これで何とか巨大企業の連鎖的な倒産は防いだものの、それでも経済的な損失がなくなったわけではなく、ながらく右肩上がりの経済成長が続いていたアメリカのGDPも2009年ばかりは前年比よりも落ち込む結果となりました。

もちろんアメリカを震源地とする巨大メガバンクの安全神話崩壊は全世界に波及し、バブル期の負債を抱えた日本でも当時12000円台の日経平均が1が月ほどで最大6994円まで落ち込み、資源の乏しい日本において輸入資源の高騰に加え輸出関連企業での海外需要の低下からくる生産減少により、上場企業を含む15000件もの企業が1年で倒産するなど多大な影響を及ぼすことになります。

バブル崩壊以来、再び日本に危機的状況がやってきます。

ただ、日本とアメリカ。

ここからの立ち直り方には決定的な差がありました。

それは日本企業が求めた海外需要と、2008年や2009年はすでに少子高齢が叫ばれて久しい日本での消費の違いです。

この時すでに人口減少傾向にある日本。

かたや、年々人口の増加傾向にあり消費がGDPを支えるアメリカ。

ある程度資源も確保でき消費者もいるアメリカは、先進国のなかでもそれなりに経済成長が見込めるのに対し、国内消費が飽和状態にあり更なる消費の伸びを期待できない人口減少傾向の日本とでは、経済的な損失を埋め尚且つそこから経済的な活性化を生み出すために必要とされるエネルギー量に格段の違いがあって当然のような気がします。

事実、2016年あたりから日本とアメリカでおこなわれた金融政策面での対極化が鮮明に物語っていると思いますが。