FXトレードをはじめて5,6年になりますが、近年は大いに苦しめられています。
2019年は何の前触れもなく放たれるトランプ砲に。
2020年はコロナ相場に。
そして、2021年は信用を失った「日本円」に。
いま、為替相場ではリスク回避の「円買い」というアノマリー(過去の経験則)は、なくなりかけています。
為替相場に参加する潤沢な資金を保有した海外勢にとって、それだけ今の日本円にはリスク回避だとしても、その通貨の信用度や安全性が薄いということでしょう。
いま、どれだけ世界から日本の「円」が信用されていないか、興味のある方は米ドルやユーロ、ポンドなどに対して日本の「円」を総合的に評価する「円インデックス」の値を探してみてください。
ネットで簡単に見つかりますから。
日本円の評価が下がったのは、先ほどあげた為替相場において、その売買額が相場を左右するよな有力な海外勢が日本円を当てにしなくなったことが最たる理由ですが、その元となっているのが日本政府の新型コロナ対策だといわれています。
ワクチン接種率の低さに加え、人口の60%までの人々に2回目の接種が完了することで集団免疫が得られるとされるその目途すら見えていない現状と、東京オリンピック・パラリンピックを迎えることで人の往来か活発となり、日本では高い確率で新型コロナの「第5波」に見舞われ再び「緊急事態宣言」が発令されることになる。
そうなれば、日本経済はさらに停滞し深刻な状況となり、見通しの立たない窮地へと追い込まれることになるだろう。
そんな憶測が有力な海外投資家たちの間で広まり、日本円を敬遠する風潮につながっています。
そのうえ各国、新型コロナ対策として超大型の経済対策を打ち出しており、アメリカや中国などの景気が回復基調になるにつれ資源需要の高まりがみられ、目下、世界的な資源価格の上昇が顕著にあらわれております。
じつはこの資源価格の上昇、皆さまのまわりにも着実にダメージを与えていますが、そればかりではありません。
いま、原油価格や鉄鋼などの資源価格だけでなく、大豆小麦やコーン、輸入食肉、砂糖、木材にいたるまで海外の商品市場では価格が高騰しており、新型コロナの超大型経済対策からくる資金流入と世界的な景気回復基調を見込んだ商品先物市場では価格高騰が目立つようになりました。
資源などを売ることのできない日本からは投資資金を引き上げ、海外の各市場へと投資マネーが流れる動きが加速。
このことが日本円の評価を下げる、ひとつの要因ともなっています。
最近、ガソリン高いと思いませんか、皆さま。
人口に対して高齢者の割合は増加する一方で、近年は出生率の低下による人口減少に歯止めのかからない日本。
そこに新型コロナがやってきて大打撃。
それなのに、「ワクチン接種はそれほど進展していない」、「それほど大きな経済対策も打ってない」、「世界に対して売る資源もない」のが日本の現状。
しかも、せっかく授かった命を、ここにきて自ら断ってしまう若者や女性が急増中。
そんなに深く探らなくても、ざっと見渡したって、金融市場にちょっとした暴落が起きようとも、以前のような世界規模の「リスク回避の円買い」に走らせるような信用度は、きっと今の日本にはないのかもしれません。
この現実、べつにFXトレードだけの問題ではありませんよ。
この流れ、長引けば皆さまにも必ず影響が出てきます。
日本の生活需要を支えるものはほとんどが輸入品。
日常生活に直結していることですから。