もし、皆さまが商品を作っていて販売しているとしたら、安く作って高く売れれば利益効率が上がりますよね。
株式だって同じ。
これから飛躍的に業績を残せるような企業の株式を安いときに手に入れて、その企業の株式評価額が上がることを期待するのが株式投資。
企業の業績が好調で、持っている株価が買った時より上がれば利益になり、上げれば上がるほど利益は大きくなります。
ただ、それを見抜くのは並大抵ではありません。
なので、個別株の現物買いは、しっかりしたノウハウと相場での経験が大変重要になってきます。
誰も資金を失うために投資をおこなっているわけではありませんから。
全世界が新型コロナのパンデミックに襲われた2020年3月以降、この緊急事態から経済活動や人々の生活を守るため、かつてないほどの量で「お金」を刷りまくりました。
その「お金」は金融市場にも自然と流れ込み、本来の相場とは別の環境で価格の上昇局面を作り上げていきます。
いわゆる「バブル相場」です。
やがて落ち込んだ消費需要も、ワクチン接種の普及とともに回復。
ただ、その需要に対して供給体制が整いません。
それは同時に「インフレ(物価上昇)」を呼び込むことに。
初期段階では、「新型コロナの感染が下火になればインフレ(物価上昇)は落ち着くもの」と予測しましたが、新型コロナウィルスも人類に撲滅されまいと変異しながら生き残りを賭けます。
株式市場はバブル、消費者物価指数はインフレ(物価上昇)、経済活動は二極化し決して「健全化」とは言い難い状態。
おまけに働き手は仕事を選び、雇用状況は一向に改善しない。
「さて、どうしよう?」
「そろそろヤバいぞ!」
アメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備理事会)もようやく動き出します。
そのことをうかがえるのが、昨年12月におこなわれたFOMC(市場公開委員会)の議事録公開。
年が明けて1月5日に公開されたその内容は、もはや金融市場、とくに株式市場はどうやら「バブル期」に入っていることと、インフレは「一時的なもの」ではないこと。
そのことにしっかり気づいたFRBは、当初予定していたテーパリング(金融緩和策縮小)の2022年6月終了を前倒して2022年3月で終了し、同時に2022年に3回ほど政策金利の引き上げ「利上げ」を実行していくことを決定。
このスピード感、たぶんFRBも相当焦っています。
FOMCの議事録を敏感に察知したアメリカの株式市場は、5日以降から下落基調に。
1月4日、今年初の売買開始「大発会」に沸いた東京証券取引所も、5日から一気にトーンダウンとなりました。
日本とは比較にならない量のお金を刷りまくったアメリカは、今年2022年の3月から株式市場の「バブル」と全土に広がる「インフレ(物価上昇)」を抑え込むべく、間違いなく「金融引き締め」に入ります。
だとしたら、2022年は2020年や2021年のような「強いアメリカ株」の印象は、たぶん影をひそめるのではないでしょうか。
それでも、景気後退をイメージさせるような極端な暴落は避けたいところ。
もしかしたら2022年から当面は、高値が抑えられる相場が続くかもしれません。
しかも、大きな落ち込みも少ない展開に。
そんな気がしてきました。
投資に限らず売買とは「安く買って、高く売る」が基本。
だとしたら、2022年は株式をメインとした積立での分散投資にとって、アフターコロナ後の経済復興を見据えたときの「仕込み時」かも。
個別株の現物買いで利益を目指すのは非常にムズカシイ世界ですが、そこまで考えなくとも、成長が見込めるアメリカ市場をメインとした株式投資で、ドルコスト平均法を利用した積立での中長期の分散投資を始めるのなら、2022年は平均購入単価を抑えられる、いい相場になるかもしれませんよ。