2018年1月の終わり、過熱したアメリカの株式市場を沈静化させるため、アメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利の引き上げ「利上げ」をおこない、株式市場での暴落劇を巻き起こした「温床相場の終焉」といわれるパウエル・ショック。

トランプ大統領が駄々をこねて、年末近くのアメリカ株式市場に暴落を招いたクリスマスボトム(トランプ大統領からの最悪のクリスマスプレゼントと呼ばれました)の悲劇から、年明けにおこった2019年1月3日のフラッシュ・クラッシュ。

2020年1月3日、アメリカ軍によるイランの司令官暗殺に新型コロナのパンデミック。

2021年の幕開けは静かだったものの、2022年も年明けからアメリカで、金融政策の転換を迫られた金融引き締めからの「利上げ」観測により、早々に暴落とまではいかないまでも株式市場で強めの下落につながるなど、ここのところ新年が始まると金融市場には不確定なマイナス要因が強調され、強烈な「リスクオフ」の展開に発展するなど、ここ数年の1月は何かと不穏な金融相場が続いています。

今年は特に、いままで好調だったハイテク株や半導体銘柄、そして期待されたグロース株(成長株)が「利上げ」観測により、一気に売られだしました。

しかも、今年は金融相場を揺るがすような、不確定のマイナス要素がまだまだあります。

長期のインフレ懸念がクローズアップされるアメリカは、金融緩和を早期に終了させ政策金利の引き上げ「利上げ」で金融引き締めにかかることは、ほぼ間違いないでしょう。

そればかりではなく、いまだにまったく止まることのない新型コロナのオミクロン株感染者や、それに伴った失業者による「米新規失業保険申請件数」が底打ちしたと思ったら増え続けていること。

そして、アメリカの隣国メキシコのリセッション(景気後退)懸念。

どうしてもアメリカが景気低迷となれば、そこに依存度が高い隣国の新興国へダメージは波及してしまい、経済の基礎体力を削られることになります。

そのうえ、ロシアのウクライナ侵攻と、相場を揺るがす話題に事欠かないのが2022年の1月。

年が始まって2022年は、取引を開始してからNYダウやナスダック、S&P500に代表されるアメリカ株価の3指数はもう10%前後下落しています。

この下落がどこまで続くのかが今のところ最大の懸念材料ですが、こればっかりは誰にもわかりません。

アメリカ企業の決算期を迎え、なおかつ、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策を決めるFOMC(公開市場委員会)を25~26日に控えているだけに、有力企業の決算報告やFOMC(公開市場委員会)での決定事項次第では、株価のさらなる一段落ちも十分考えられます。

もちろん、今のところバランスシート(お金を刷って銀行の資産を買い上げる)縮小と政策金利の引き上げ「利上げ」時期は2022年3月の見通しなので、それまで株価がいったん復調してくることもあり得ます。

ただ、いずれにしろ、いまのところ株式市場を取り巻く環境には、明るい材料が見当たらないのも事実。

株式ディーラーならずとも株のトレードをやっている方、特に「買っている」方にはここ数か月、忍耐か決断を迫られることになるかも。

そこまで株式相場に踏み込んだ方は、基本「株のトレード(信用取引や現物株の売買)」をやっている方でしょうが、株式市場に参加している方は投機目的の売買をおこなっている方ばかりとは限りません。

銘柄選びや取引などは専門家にお任せしますが、投資信託で株式を含んだファンドをお持ちの方も、株式市場の参加者だといえます。

だた、利益の出し方が違うだけ。

「安く買って、高く売る」、株式の原理は同じでも、投資信託での株式投資は「買い」がメイン。

特に、毎月決まった日付に決まった金額分を中長期にわたり買い付けていく「積立での分散投資」の場合、高い時でも安い時でも決まった日付にどんな時でも買い付けることで、購入単価を平均化させると同時に、購入する口数も増やすことができる「ドルコスト平均法」を用いて株式相場に参加し、資産形成につなげていることになります。

これが100万円分など、まとまった金額で一度に買い付ける「1ショット」買いだと、原則、購入した時の買い付け価格を上回らないと利益が出ません。

資産形成とは、自分の資金を増やすことであり、いかに効率よく増やせるかがカギになってきます。

そのことを踏まえると、「預貯金」でもまとまった資金にはなりますが、プラスαは望めませんし、株式をメインとした積立での投資信託と比較した時、間違いなく資産の増え方に大きな開きが生まれるでしょう。

それは過去のデータが証明しています。

折しも株式相場はこれから低迷しそうな雰囲気も見られます。

こんな時だからこそ、今後株価の上昇が見込める銘柄を価格を抑えて購入することができ、そのうえ、口数も増やすことができる絶好のタイミングとなります。

株式市場の動向に一喜一憂することなく、価格に左右されずに常に株式ファンドを購入し、相場の落ち込みで口数を増加させながら、資産の成長が見込めることこそ、積立での株式を利用した投資信託の強みだと信じていますが!

株式トレーダーの道は険しくとも、何よりそんな世界に踏み込まなくても、リスクを軽減しながら株式市場の恩恵を受けることは十分可能です。

あとは一歩踏み込むか、踏み込まないかの違い。

まずは一度、SMILE AGAIN でお話だけでも。