北京オリンピックでの感動与える日本人の活躍に沸き立つ2月中旬。

その北京オリンピックも明日20日で終わります。

よく金融相場で囁かれるアノマリー(経験則)的にいえば、「オリンピック開催時期に相場は上向きになる」説は、今回、株式市場には当てはまらなかったような。

昨年おこなわれた「東京オリンピック」期間中では、相場閑散期と言われる8月にしては「まずまず」の出来高だった株式市場も、北京オリンピックばかりは例外のようで、新型コロナのオミクロン株感染リスクがまだまだ色濃く残っている中、アメリカの金融政策転換にロシアのウクライナ侵攻と、相場を取り巻く環境はいつ急落してもおかしくない状況が続いています。

なぜロシアがウクライナ国境付近に軍隊を展開しているのか?

ウクライナのNATO加盟を阻止するためなど、さまざまな憶測ばかりが飛び交っていますが、実際は明確な意図が見えていません。

その真意はプーチン大統領にでも聞いてみないとわかりませんが、エネルギー資源に乏しいEU諸国は、50%近い天然ガスをロシアからの供給に依存しています。

そのうえ、ロシアは天然ガスだけでなくサウジアラビアなみの産油量を誇る産油国。

そしてウクライナの主な産業は大豆や小麦、トウモロコシなどの穀物。

ウクライナ産の穀物がヨーロッパの穀物需要を支えているばかりではなく、日本でも小麦輸入量の11%ほどがウクライナ産です。

そんな状況下で、もし本当にロシアがウクライナに軍事侵攻をおこなったら、各国は強い制裁措置をとることになるでしょう。

そして世界は分断。

そうなれば、EUへの天然ガス供給はストップし、ただでさえ高騰しているエネルギー市場はさらなる高値を目指すことに。

そして同時に穀物市場も。

もちろん、こんな緊迫した中で、株価も為替も無事でいられるわけがありません。

だから本当にロシアがウクライナに侵攻したら、金融相場にとってとてつもない脅威になります。

ロシア側でもそのことは重々承知しているはず。

今おこなわれる「北京オリンピック」の開催は2月20日まで。

ホスト国は中国。

経済成長が鈍化したとはいえ、中国はアメリカに次いで世界でも第2位の生産力と、購買意欲や消費行動の旺盛な内需を抱えた国。

おまけにすべての中枢を掌握しているのは、今年の秋には3期目に入る習 近平国家主席と中国共産党最高指導部。

理念は「平和の祭典」を謳うオリンピック期間中。

しかも隣の大国 中国が開催しているだけに、中国まで敵に回したくないロシアは、北京オリンピック開催期間中のハデな軍事進攻は控えたか?

だとしたら、来週21日以降は要警戒?

一部に流れる、「ロシア国内での高インフレに対して、プーチン批判を始めたロシア国民および政権内部の勢力から目をそらすために、ウクライナ国境に軍を配備した」とか、「産油国ロシアのエネルギー価格高騰からの国益狙い」など、直接の軍事行動には発展しない可能性を唱える見解もありますが、はたして。

個人的にはロシアのウクライナへの直接的な軍事行動はないと見ていますが。

だって、そんなことをやったら世界の中でロシアだけが孤立するだけですから。

やっぱり、ロシアとプーチン大統領が世界を相手に、高等な駆け引きをおこなっているのでは⁉

きっと、そうじゃないですかね!