2022年6月6日、東京都内で開かれた講演で日銀の黒田総裁が、「家計の値上げ許容度も高まってきている」と述べ、波紋が広がりました。

一般市民の感覚からズレている発言だとして。

そのうえで、日本経済は新型コロナウイルスのダメージからいまだ立ち直っておらず、引き続き、金融緩和体制の継続を強調しました。

さらに、賃上げ環境の必要性と、現在の「円安」状況については、「急激な変動ではなく、安定的な円安方向の動きであれば、経済全体としてみればプラスに作用する可能性が高い」と発言。

これが「円安」容認と捉えられ、円売りが加速。

一時、126円前半までドル/円は落ちてきたものの、6月6日から再び円安に火がつき、1あっという間に130円台を通過。

6月8日には、前回高値の131円30銭台を悠々と見下ろす、134円60銭台の位置にまで昇りつめます。

もう135円台は、すぐそこ。

今回、日銀の黒田総裁発言は、どういう検証のもと「家計の値上げ許容度が高まってきている」と判断したのか疑問視されますが、いまのところ、政府も日銀もこの過度な「円安」や急激な「インフレ(物価上昇)」に対して、何も対処しようとしていません。

ですから、我々一般庶民は渋々、エネルギー価格や製品の値上げがあっても、受け入れざるを得ないカタチです。

そんなこと、日銀の黒田総裁だってわかっていると思いますが、ここはあえて「泥をかぶった」のかな?

退陣も近いし、日本経済の立て直しが、いかに困難かを悟ったうえで。

金融緩和政策だって、新型コロナウイルスがパンデミックを引き起こす前からやってますよね。

なかなか結果は表れませんが。

賃上げだって、黒田総裁が就任以来、ここ10年ほど、ずーっとそう言い続けてきたのに、一向に改善しないのが現状。

日本の経済は30年以上も立ち止まったままなのに、コロナ禍以降、エネルギー価格を左右する「原油」や「天然ガス」の価格は高値を更新しまくっているし、ウクライナ情勢をはらんだ穀物市場も高止まりで、家計では負担が増え続ける一方です。

そして、自給率の低い日本はで、海外依存の高い原材料費や物流コストの高騰から、このごろ発信されるトレンドは、企業による製品の値上げラッシュ

そこへきて、「家計の値上げ許容度は高まってきている」発言は、所得の増加を実感できていない人々からすれば、「何言ってんだ、このジイさん!」となってしまうのも、当然のような気がします。

実際は、「しょうがなく」が正解ですから。

いま、日本ばかりじゃなく全世界が、新型コロナの金融緩和から起こったインフレ(物価上昇)の後遺症に襲われ、日本以外の中央銀行では、政策金利の引き上げ。いわゆる「利上げ」による金融引き締めが急務になってきています。

そんな世界的風潮で、インフレ(物価上昇)に対応せず、そして、極端な「円安」相場を容認し、金融緩和を継続、果ては、いまだに日銀が国債を購入し続け、国債金利をコントロールしなければならない背景には、平成初期以降から抱える国内需要の低迷が、ドッシリとのしかかっているように思えて仕方ありませんが。

さあ、もう他人事ではありませんよ。

このインフレ(物価上昇)は。

経済状況が良好で、賃金も上がりそうならまだしも、決してそうではありません。

世界的に金融引き締めをおこなう国々が大半を占める中、まったく真逆の金融緩和を貫いているのが日本です。

これじゃあ、国債の金利差が開き、日本円はもとより国内の円建て資産の価値が減っていくばかり。

そこで貯金なんかで貯蓄していたら、自分の資金を目減りさせていることになりますよ。

日本での生活は、エネルギーにしろ、食料品にしろ、衣類にしろ、だいぶ海外からの輸入に依存しているのが現状です。

その輸入品の価格は、各国中央銀行の金融引き締めにより、海外通貨の価値が上がることで輸入品の価格はしっかり上昇していきますが、日本の円は金融緩和により価値が下がっていきますので、いままで買えた輸入品が、同じ金額では買えなくなるようなことがおきてきます。

私たち一般庶民の願いとはウラハラに。

そして、円安が進めば進むほど、海外株式や海外債券の価格を日本円に直したときに、価格をドンドン上げていきます。

つまり、どんな海外株式であれ輸入品であれ、いまの「円安」状況は、日本にとって他国の通貨のほうが高いので、価格を日本円に換算すると、必然的に日本円の支払が多くなってしまう結果を招いています。

ただ、これは逆に、巨額の米国債を抱える日本政府や、公的年金の財源を50%ほど海外資産で運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)にしてみれば好都合。

海外資産を巨額に保有する政府やGPIFはいま、円安の影響により、確実に資産を増加させています。

だったら、我々も、海外資産に投資するチャンスですよね。

たとえば、アメリカ3指数(NYダウ・ナスダック・S&P500)などの株式ファンド。

それらを、「為替ヘッジなし」のドル建てで保有していれば、日本円に直したときに「円安」の恩恵を受けやすい(日本円に換算したときに有利な)環境といえます。

最近は、強烈なインフレ(物価上昇)に見舞われ、さらなる政策金利の引き上げが命題となっているアメリカ経済。

そのため、当面、下落基調が続くと思われるニューヨウーク株式市場ですが、アメリカ3指数のチャートを見れば中長期的に、ながらく右肩上がりで推移してきましたし、本来、投資とは「安く買って、高く売る」のが基本。

投機的な短期目線で値動きを追うのではなく、中長期的な投資戦略で考えたら、市場が落ち込んだ時こそ目を向けるべきでは。

だから、私たちも利用してやりましょうよ、この相場環境を。

「円安」相場で。

そして、海外資産で。

このインフレ(物価上昇)と円安傾向、ちょっとやそっとじゃ収まりそうもありませんので、いまのうちに資金計画(将来に向けた貯蓄計画)を立てて、将来のインフレ(物価上昇)にも十分太刀打ちできるような、効率の良い資産形成を目指しませんか?

もう平成バブルを知らない世代もいるでしょうが、日本は平成初期のバブル崩壊からいまだに立ち直れず、この先も国内経済に関しては、なかなか明るい展望が見られない、キビシイ状況が続くでしょう。

ただ、それで手をこまねいていたら、何も始まりません。

幸い、いまはコロナバブルが過ぎ去りました。(高値掴みが避けられます)

学資資金にしろ、老後資金にしろ、あるいは明確な理由付けを伴わなくても、中長期的な視野で効率の良い資産形成を目指すなら、昨年よりだいぶ相場が変わってきた、この時期から始めてみるのも決して間違いではありません。

そして、こんな歴史的な「円安」環境、見逃す手はないと思いますが。

具体的なプランニングについては、お気軽に SMILE AGAIN までご連絡を。

けして、しつこい勧誘や不要な生命保険の営業など、一切ありませんから。