いや~、ビックリしましたね、昨日は。

安倍元首相が参議院選挙に向けた遊説先の奈良県で、街頭演説中に聴衆から自作の改造銃で銃撃を受け、お亡くなりになってしまうなんて。

すごいショッキングな事件。

安倍元首相といえば、7年8か月という長期政権を築いた、日本では知らない人がいないほどの知名度。

海外から揶揄され続けた日本の「短命政権」を、キッチリ払拭した人物でもあります。

国政の第一線からは退いたものの、そのネームバリューは衰えるどころか、まだまだ輝きを放ち、存在感は十分にあります。

そんな要人中の要人が、銃器の所持すらままならない、この世界一法治国家の日本で、しかも聴衆が自作した改造銃により、無防備に襲撃を受けてしまう。

しかも2発。

にわかには信じがたい出来事です。

時間の経過とともに、当時の警備体制や犯人の犯行目的が明らかになっていくでしょうが、それでももう安倍元首相はかえってきません。

「平成」から「令和」へと年号が移り変わった時に誕生した第4次安倍内閣は、その後、世界中で猛威を振る新型コロナのパンデミックの中、安倍内閣でもその対応策に苦心させられました。

結局、「森友問題」や「桜を見る会問題」など、数々の疑惑をうやむやにしたまま、コロナ禍の中、体調不良を理由に、突然辞任を発表。

実際、長期政権が残した評価には賛否両論分かれるところですが、それでも、いまある東京証券取引所の日経平均やTOPIX(トピックス)をけん引し、魅力ある相場へと転換させたのは、まぎれもなく第2次安倍政権と日銀がタッグを組んで目指した金融政策の功績でしょう。

東日本大震災後の日経平均は、今では考えられない、いい時で10,000円台に乗っかるか乗っかんないかの時代。

平均8.000円台~9.000円台を推移していた日経平均に、颯爽と現れた第2次安倍政権と日銀が打ち出した「デフレ脱却」のための金融政策は、あまりにも革新的な株式相場への公的年金財源の注入でした。

それによって瞬く間に株式市場は急上昇。

やがて日経平均は、12,000円をやすやすと突破。

そのうえ、15,000円へと着実に到達していきます。

当時、おぼえたての「投資信託」を販売し始めたころで、ご購入いただいたお客さまの投資資金が、見る見るうちに膨れ上がったことを鮮明に覚えています。

それはもう、販売した本人もお客さまも驚くような。

あまりにも見事な日経平均の上昇に、市場では「バブル」も懸念されましたが、今日までの日経平均の推移を見るかぎり、当時、市場に流れた「バブル」懸念は、思い過ごしでしかなかったことがわかります。

そして、令和4年。

コロナ禍が至極当然の日常と化した今、今度は高インフレに見舞われ、主要先進国での金融政策のもと、各国株式市場ではこれからの株価急落が囁かれる中、金融引き締めに振れない日本は、歴史的な「円安」局面も手伝って、日経平均株価や TOPIX はそれなりに手堅く推移しています。

この礎を築いたのが、第2次安倍政権と日銀です。

残念ながら安倍元首相は昨日、参議院選挙の街頭演説中に遊説先の聴衆が発砲した凶弾に倒れ、帰らぬ人となってしまいましたが、個人的に安倍元首相の功績をたたえるなら、日本の株式市場を世界的な株式相場へと導いた、第2次安倍政権の金融政策を挙げたいと思います。

もし、2012年以降も民主党だったとしたら、きっと今の東京株式市場はなかったでしょう。

安倍元首相のご冥福をお祈りします。