記録的な「円安」環境とエネルギー価格や原材料費の高騰による外的要因から、ある意味、日本における金融緩和政策の限界が見えてきた2022年。

これから2023年を本格的に迎えるにあたって、日銀も物価見通しを引き上げざるを得ない状況と、年末近くに公表した10年債金利の上限を0.5%まで拡大することと相まって、これから大規模な金融緩和政策の縮小が強く意識されてきそうです。

現に、日銀が発表した国債金利の上限引き上げ後、10年債金利は上昇し、連動して新規の住宅ローン金利も上昇し始めました。

そうなってくると問題は「賃金」。

普通に考えたら、物価が上がり各種ローン金利も上がれば、賃金も上がっていかないと、今までの生活水準を維持するには釣り合わなくなっていきます。

物価が上昇した分、しっかりと賃金も追いついていかないと。

ただ、残念なことに現実はそうではありません。

1月6日に厚生労働省が公表した2022年11月の「勤労統計調査」によると、物価上昇を考慮に入れて実質賃金を見てみると、前年同月比で-3.8%の減少。

これで、8か月連続の減少傾向になります。

簡単にいえば、物価に賃金が追いついていない状態。

実際、手取りの給与(名目賃金)自体は少しずつですが上がっているものの、伸び幅が少なく、その分、物価が上昇していることと比較した場合、賃金の上昇率が物価上昇率よりも下回っています。(実質賃金)

とくに、みなさんが楽しみにしている(アテにしている?)「ボーナス」の金額が、19.2%と大きく減少しているところが非常に気になりますが。

政府的には賃金上昇のため、企業での生産性向上を呼びかけていますが、日本は資源国ではなく、原材料を輸入し加工組み立てを主な産業としている国。

記録的な「円安」を差し引いても、エネルギー価格に原材料費の高騰の中で、貿易収支はずーっとマイナス続きの状態で、賃上げもそう簡単にいくでしょうか?

かといって、北米大陸やインド、あるいは東南アジア諸国のように、今後の経済成長が強く見込め、需要が活発で消費意欲旺盛なマーケットが日本国内にあるかと言えば、決してそうではありません。

「少子化対策の財源として、消費増税も」なんて意見が、大物政治家から飛び出すほど困っている国です。

日銀は、エネルギー価格や原材料費の高騰から企業での価格転嫁が想像以上に早く、「今年は物価上昇率3%台にのってくる」との見通しを出しており、「じゃあ、賃金は?」と言えば物価に追いついていかないのが現実。

そればかりではなく、10年ほど続いた金融緩和政策はそろそろ縮小されそうで、人生の中でも一番大きな買い物かもしれない「マイホーム」の住宅ローン金利が、いま、増加しそうな雰囲気になっています。

じゃあ、その分、公的年金の保険料や健康保険料、介護保険料などの社会保障費は下がるの?

あるいは、所得税や住民税などの税金はこれから下がっていくの?

どちらも良い方向には転ばないでしょう。

だとしたら、みなさん、これからどうしますか?

「何とかなる!」

そう思って将来苦しむなら、なるべく若いうちからザックリとでも「人生計画(ライフプラン)」や、貯金や投資信託の使い分けで将来の「マネープランニング」を立てておきませんか?

これから先も国や政府がみなさんに、「明るい未来」など運んではくれませんよ!

詳しくは SMILE AGAIN まで