FRB議長のタカ派発言があった翌日、なんとシリコンバレーバンクの破綻騒動が浮上し、翌週3月13日からの金融相場はガラリと一変しました。

これでアメリカの「利上げ」ムードはかなり沈静化した感じです。

すでにここ数日で、アメリカの債券金利が急激に下がり始めました。

ゆえに、あれほど強気だったドル/円も一気に急落。

株式市場も弱含み。

そこに前々からウワサされていた「クレディ・スイス」問題も絡み、金融市場は一週間でまるで違う世界に変貌していきます。

そんな背景をよそに、一人気を吐いているのが「ナスダック」。

2022年は全世界的にインフレが加速したため、各国で利上げ観測が続きました。

そうなるとグロース株(成長株)とっては受難の年となります。

そこにきて3月初めに飛び出したFRB議長のタカ派発言に、影を潜めていたナスダックも急に息を吹き返してきた感じですね。

シリコンバレーバンクといいクレディ・スイスといい、ここまで大きな問題に発展した経緯は、金融機関としての経営方針や資産の運用方法に難があったと言われています。

今後、FRBをはじめとする金融当局が銀行への監督・規制を強めることを表明しており、そのことが融資条件の厳格化や投機的な資金の見直しにつながると見られています。

より融資条件が厳しきなり、不利益な投資ポジションの解消を迫ることになるでしょう。

こうなれば自然とアメリカの金融市場では資金の流通が減ってきますので、FRBがさらに金融引き締めを強調しなくても済むようになります。

よって、これ以上政策金利の引き上げ、いわゆる「利上げ」はそろそろ打ち止め。

「利下げ」を叫ぶには時期早々ですが、これで資金の流通はかなり低下すると見られています。

そうなれば資金調達面で中小型株にはキビシイ環境となりますが、資金面で調達プラットホームを持つIT系なんかがまた強くなってきそうです。

そうなればやっぱり「ナスダック」ですかね。

昨年から「バリュー株(割安株)の逆襲が始まるのでは?」とウワサされていましたが、再びハイテク・IT系で世界最大のベンチャー(新興企業)市場「ナスダック」が浮上してきたことで、また一つ資産運用(一括投資)や資産形成(積立投資)の世界にバリエーションが広がりました。

アメリカ株といえば「S&P500」のようなイメージを持つ人たちも多いかもしれません。

ただ、「アップル」や「アマゾン」、「アルファベット(グーグル)」など、「S&P500」の構成銘柄上位はほとんど「ナスダック」市場に上場している銘柄でもあります。

「テスラ」みたいに日本じゃテスラの車なんか滅多に見かけないのに(田舎だから?)、名前は誰もが知っているようなグローバル企業が「ナスダック」市場から飛び出してくることを考えれば、今後も目の離せない市場であることは間違いないでしょう。

これからも「ナスダック」は要チェックです!