今年7月に就任したイギリスのボリス・ジョンソン首相。

過去には過激な言動や巧みな演説だけでなく失言やスキャンダルでも注目を集め、しばしばアメリカのトランプ大統領と比較されることも。

7月24日に就任以降一貫してイギリスのEU離脱を唱え、合意なき強行離脱も辞さない構えを鮮明にしていました。

7月も終わろうとしていた矢先、ジョンソン首相がEU強行離脱の準備を始めたとの報道が流れ、そこからイギリスの通貨ポンドがドルや円に対して異常な勢いで下落。

その後イギリス議会では強行離脱でもEU離脱を目論むジョンソン首相側と、合意できない場合はEUに離脱延期を要請べき側に分かれて紛糾。(造反議員も多数)

合意なしの離脱を認めず期限延長を要請する法案が可決されると「離脱を延期するくらいなら死んだほうがまし」と発言したジョンソン首相は力技の解散・総選挙に打って出たが、またもや造反議員を含みながらこちらは否決。

今度はジョンソン首相の要請によりイギリス議会を5週間の閉会にさせたが、これが違法だとして議員たちが訴訟を起こしスコットランドの最高裁にあたる民事控訴内院やイギリス最高裁が違法と判断、ニューヨークで開かれていた国連総会から急きょ帰国し審議を再開することに。

ジョンソン首相は最高裁の判決を「間違っている」と批判し、そのうえ総選挙をおこなうため自分への内閣不信任案を要求、それよりも合意なきEU離脱の可能性を排除したい野党側。

こんな感じで混迷を極めたイギリス議会において離脱期限の10月31日が刻々と迫る中、誰もが合意を絶望視していました。

そこに飛び込んできたのが昨日10月17日のイギリスとEUの離脱協定案の合意。

ハッキリ言ってちょっとビックリです。

今日10月18日にはEU首脳会議でイギリスとの離脱条件で合意した離脱案を全会一致で承認。

つい一週間前までは合意なき離脱に警戒していましたが、先週あたりから楽観的な発言が見うけられたので一週間ほどで目まぐるしく状況が変化したのだと思います。

残るは明日10月19日のイギリス下院での新離脱案の採決となります。

メイ首相時代EUと協議した離脱案をこのイギリス下院で3度否決されています。

はたして明日はどうなるでしょうか。

イギリスは明日、イギリスの運命を決める重要な土曜日を迎えます。