最近よく外貨建保険の批判を目にするようになりました。
外貨建商品を取り扱う側の人間にとっては、耳の痛い話でもあります。
批判の矛先に目をむけてみると、「元本割れするとは知らなかった」。
え?
生命保険ですので1年とか2年の短い期間はもちろんのこと、10年未満で解約すればどんな保険でもだいたいは積んだ金額は返ってこないはずですが。
「為替変動があるなんて聞いていない」。
確かに為替変動によりお支払いいただいた保険料の合計が変動しますし、日本円を米ドルや豪ドルに換算して保険料をお支払いいただきますので各種手数料が発生します。
それでも積立利率が毎月変わるうえ、積立利率は最低保証が付きます。
どう見ても、シニア世代に誤認を与えて商品説明しているように思われます。
純粋な死亡保障と捉えたとき、現状の日本でこれだけ保障効率の良い商品はなかなか見当たらないと思うのですが。
それに貯蓄効率も高いので、説明によっては批判の的になりかねない部分となりえます。
貯金のように元本保証商品と誤認すれば、そこには大きな誤解を招くことになります。
外貨建保険は米ドルや豪ドルなどの海外の通貨を基準にして、海外の国債などで運用する生命保険です。(国内の生命保険会社の円建保険は日本の国債などで運用しています)
外貨建保険も大きく分けて2種類があり、ひとつは毎月や年払などが選択できる「積立型」とご契約後に全保障期間を1回でお支払いいただく「一時払型」があります。
積立型も一時払型も生命保険なので、死亡保障を主体としています。
基本的には生命保険なので健康な方しかご加入できませんが、一時払型は健康状態に関わらずご利用できる商品もあり、なおかつ一時払型の特性を生かし利率の高い海外の国債などに運用することで、将来外貨建で一時払していただいた金額よりも外貨建で多くお返しするよう設計された商品です。
お支払いは日本円でもできますし米ドルや豪ドルでもできます。
死亡保険金や解約返戻金も日本円でも米ドルや豪ドルでの受け取りも可能です。
積立型も一時払型も既存の国内の生命保険にはない特性を持っていますので、「生命保険であること」と「為替変動があること」をご理解いただけないと苦情にもなりかねません。
それでも先ほどお伝えしましたが、死亡保障として生命保険と考えていただいた場合や10年以上の貯蓄と考えていただいた場合などは自信を持ってお勧めできる商品です。
私自身、外貨建保険の積立型も一時払型にも加入していますし、日本の公的年金の積立管理・運用をおこなっているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も国内債35%国内株式25%外国債15%外国株式25%と海外の資産に40%ほど投資しています。
そして最近、国内債でのマイナス運用している枠を減らし外国債運用枠の拡大を決めました。
今の日本において国内の資産に依存するよりは、海外の資産に目を向けた方が将来の展望が開ける表れだと感じています。
皆さまもご自身のポートフォリオに外貨建商品を加えてみてはどうでしょうか。
とりあえず、お話だけでも聞いてみてください。