最近よく国内外での政策金利引き下げにより、貯蓄性の高い生命保険のメリットが減り各生命保険会社で販売休止や保険料引き上げを検討との報道記事を目にするようになりました。
何回か私どものブログでも取り上げましたが、2016年1月に日銀がマイナス金利政策を導入以降、将来の保険金支払いのための日本国債での運用は運用益が上がらなくなりました。
では2016年1月以前は日本国債の運用が良かったかというと、けしてそうでもありませんが。
もともと日本の国債に関しては格付けも金利も低かったところから、さらに下がったことになります。
ここ15年の日本10年国債の推移を見ても平成13年あたりの1.93%がピークで、以降日本国債の金利はどんどん下落しています。(今ではマイナスですが)
そんな中で定期預金など低金利から見れば、生命保険の利率は良く見えたかもしれません。
本来、定期預金のような流動性のある金融商品と比較するべきではありませんし、定期預金と生命保険では利用目的がまるで別の商品となります。
それでも平成初期の高い貯金利息を知っている、ある程度まとまった資金をお持ちのシニア世代からしてみれば、貯金商品ほどの流動性はないにしろ返ってくるお金が増えて戻ってくることを保証してくれるのなら魅力的に感じたかもしれません。
とくに全期間を一度にお支払いいただく一時払終身保険などは、ある程度経過年数を過ぎれば元金より多く返ってくるような設計になっていましたので。
私どもで取り扱わせていただいている外貨建の一時払終身保険もアメリカやオーストラリアの政策金利引き下げの影響で利率は下がりました。
各生命保険会社でもすでに一時払終身保険の販売休止がアナウンスされたり、まだ発表はありませんが休止ではなく近い将来に保険料値上げで商品への加入メリットが薄れても商品自体は残す意向になるケースも出てきそうです。(販売休止するということは生命保険会社にもメリットがないということでしょうが)
そもそも低い定期預金でお金を預けた場合よりも、生命保険に加入してある程度経過年数を置いて解約すれば同じ金額をつんだ場合、生命保険のほうが元金にプラスが多いことで販売していますので、今後は本来の生命保険に加入する目的「保障」という観点に立ち戻るもかもしれません。
ただ、一時払終身保険のメリットがある程度経過年数を置いたのちの解約返戻金の多さばかりに注目されがちですが、もっと一時払終身保険に加入するメリットはあるはずです。
私どもで取り扱わせていただいております一時払終身保険を例に挙げますと、純粋に死亡保障としての利用価値が大きいと思われます。
もちろん利率は下がりましたが、一時払終身保険としての経過年数ごとの解約返戻金は今もって高いレンジをキープしています。
それよりも医師の診査や健康状態の告知などがなく、簡単な告知でご加入できるところが強みです。
相続対策などを考えなくてはいけないけど、健康上の理由により生命保険での相続対策をあきらめている方も多いと思います。
健康上の理由で生命保険をあきらめていた方もご利用になれますし、なにより預貯金ではできないお金の受取人を指定することが可能となります。
年齢的な保険料の反映もありませんし。
まとまった資金を預貯金代わりの一時払終身保険でお預けいただく時代は過ぎ去ろうとしています。(その観点から見れば私どもで取り扱う一時払終身保険にはご利用いただくメリットがまだまだありますが)
それでも純粋に死亡保障として見れば、ご利用いただくメリットは十分あると思っています。
もっとも私どもは資産を増やすいう考え方からすると、生命保険よりほかの金融商品のほうがお客さまの資産形成に良いのではというスタンスを昔からとっていましたので、今後も損得だけでの生命保険のご案内にはなりませんが。