アクサ生命の社員として勤めていた時代のこと。
お客さまから数多くのお問い合わせがあった項目として、変額保険の「解約返戻金」が挙げられます。
「お問い合わせ」というより、ほぼ「苦情」。
実際の解約返戻金が、保障設計書にある解約返戻金の推移表とかなり違うというもの。
「あまりにも実際の解約返戻金が少なすぎる!」
という内容の苦情がほとんどでした。
お客さまからすれば「資金が増える!」と聞いて加入したのに、実際は増えるどころか逆に減っているとなれば、それはそうなりますよね。
もう「詐欺にあった」感じでしょう。
なぜそうなったのか?
SMILE AGAIN では過去、再三にわたり変額保険をご検討するにあたり、押さえておくべきポイントを注意喚起としてブログで発信し続けてきました。
その一方で変額保険の特性を理解し、しっかり資金を増やしているお客さまもいらっしゃいます。
何が違うのか?
このことは、じつは「積立投資」の特性を知っている方なら、当たり前のようなこと。
変額保険に加入する時、まず注意すべき1つ目のポイント。
それは「ファンド選び」です。
ここを間違うと、積立投資では資金が増える確率がグッと下がります。
むしろ「投資信託」と違い死亡保障が付いて回る変額保険において、掛け捨ての保険費用が必ず発生しますので、ファンドが成長しないと積立金がドンドン減っていく「無限ループ」に陥るでしょう。
死亡保障が必要ならそれでも納得できるでしょうが、「教育資金」や「老後資金」など明確な貯蓄ニーズで加入しているのに、ぜんぜん資金が増えていかなかったら、そりゃ苦情にもなりますよね。
聞いた話とぜんぜん違うし。
だから、変額保険では「ファンド選び」を間違ってはいけません。
「じゃあ、どのファンドを選べばいいのか?」
これは積立投資ってことを知っていれば、自ずと答えは決まっています。
正解は「株式ファンド」。
変額保険に限らず、今話題のNISA口座による投資信託の積立投資でも、積立で資金の増加を目指すなら「株式ファンド」一択になります。
変額保険で「バランスファンド」や「債券ファンド」を選択している方を見かけますが、積立投資でそれでは資金の増加はなかなかムズカシイでしょう。
それは「投資信託」の積立でも同じ。
特に変額保険では先ほどもお伝えした通り、死亡保障に回る保険費用が必ず発生しますので、その保険費用を上回るパフォーマンスが見込めなければ、お支払いした保険料総額を超えて利益を期待することなど至難の業。
その他に「購入手数料」や「信託報酬(運用管理費)」もありますから。
なのにリスクを相殺する「バランスファンド」や、値動きの少ない国内メインの「債券ファンド」を変額保険で選んでも、資金が増えることなど望めないのが普通。
むしろ減っていくはず。
ご提案する側、つまり、提案する保険屋さんもこのことをわかっていないと、お客さまに適切な助言ができませんので、お客さまの資金はいつまで経っても増えることのないまま時間だけが過ぎていきます。
変額保険に限らず「投資信託」でも、積立投資では「株式ファンド」を選ぶことが基本となりますので、ここはゼッタイ覚えておいた方がいいですよ。
それなら、変額保険で「株式ファンド」さえ選んでおけば資金は増加する⁈
じつはこの点は非常にムズカシイところで、世の中にあるすべての株式ファンドが順調に利益を出しているとは限りません。
中には、ちょっとした暴落でそれ以降価格が戻ってこない「塩漬けファンド」も、少なからず存在します。
そして、各生命保険会社で変額保険に組み入れる「株式ファンド」の種類がそれぞれ違うだけに、そのファンドの特性を確認する必要があるでしょう。
「みんなの株式(みん株)」などで、変額保険に組み込まれる株式ファンド名を検索し、設定来からの実績や純資産の増加率、資金流入額を参考に、ファンドの過去の実績から成長度合いをある程度予測してみることも必要です。
そして2つ目のポイントは「保険費用」です。
いくら資産形成機能が備わっていても、変額保険はどこまで行っても「死亡保障」のある生命保険に変わりはありません。
この死亡保障に回る保険費用がなるべく低い変額保険を選ぶことが、当然ながら積立金を増加させる大きなポイントになってくるでしょう。
この「保険費用」、じつは保険会社によってかなりバラツキがあることはご存知でしょうか?
そして毎月の保険料の中からどれくらい積立に回って、掛け捨ての「保険費用」がどれぐらいなのかを知ることによって、積立金を何年で年リターン何パーセントの運用ができれば目標金額に達するのかわかるようになりますので、決しておろそかにできないのが「保険費用」です。
特に昨今は「三大疾病」等による払込免除特約が充実してきた反面、その分保険費用が増えていますので、本当に資金の増加を目指すなら「保険費用」をしっかり確認することはマスト。
保障が充実しているのに「保険費用が減る」なんてこと、ゼッタイにあり得ませんから!
完全貯蓄ニーズで死亡保障など必要がないなら、あえて変額保険を選ばなくてもいいことになりますので、設計書にある解約返戻金の推移に惑わされないためにも「保険費用」は必ず確認してください。
そして最後、3つ目のポイントが積立期間と同様の「保障期間」です。
変額保険は「有期型(保障期間が決まっている)」のケースがほとんどで、ご加入すればいずれは満期を迎えて保険自体が終了します。
大抵その期間は10年以上で、中には30年、40年などのかなり長期も選択することが可能。
まあ、目的に合わせてご自分で選ぶようになりますが、少なくても変額保険では「保障期間」を15年以上で考えましょう。
ただ、あまり長すぎるのも禁物。
極端に長くすると基準の死亡保障金額が上がってしまいますので、保険料に対する「保険費用」の割合が大きくなり、積立に回る資金の減少へとつながります。
お子さんの大学進学時期や老後資金の必要となりそうな時期に合わせるなど、ライフイベントを考慮した「保障期間」の設定がベストです。
そして、先ほどからお伝えしていますが、変額保険は純粋な積立投資ではありません。
変額保険に加入するということは、死亡保障が付いた生命保険に加入することになります。
本家本元である「投資信託」の積立投資でも10年未満の期間では、積立金全体のプラス成長が微妙なのに、死亡保障が付いた生命保険の変額保険が運用効率で「投資信託」の積立投資を上回る、なんてことは通常は考えられません。
それなのに、「10年で資金がプラスになりますよ!」なんて説明してくる保険屋さんがいるとすれば、それはけっこう何も知らない保険屋さんなので要注意。
その保険屋さんを信じる信じないは自由ですが、SMILE AGAIN で変額保険をご提案するなら15年以下の「保障期間」なんて考えられません。
最低15年以上。
基本は20年の保障期間を見ます。
2020年後半から2021年11月までの特殊な相場環境なら別ですが、それでも特殊な相場環境ほど長くは続かないもの。
株式市場が近年稀に見る最高潮に達した時、運良くそこに変額保険のピークを持ってこれれば最高ですが、実際はそんな簡単なものではありません。
積立投資の強みである「平均購入単価を下げる」意味でも、変額保険で資金の増加を目指すなら、少なくても15年以上の「保障期間」は必ず設けることをおススメします。
「株式ファンド」に「保険費用」、そして「保障期間」。
以上のどれかを外しても、変額保険では積立金が増えることはキビシイと思ってください。
3つ揃ってはじめて資金はプラスへと向かいます。
それぐらいシビアな金融商品が変額保険です。
もちろんファンド自体の年リターンや手数料、信託報酬など、細かいところを上げればもうちょっとありますが、変額保険をご検討いただくなら必ず押さえておきたい必須3項目が「株式ファンド」・「保険費用」・「保障期間」になります。
くどいようですが、この3項目のうちどれか一つでも外すと、アナタの資金は増えるどころかドンドン目減りしていく可能性が出てきますので、変額保険をご加入の際は十分ご注意を。
もっと詳細に確認したいお客さまは、お気軽に SMILE AGAIN までお問い合わせください。
しつこい保険の勧誘など、一切ありませんので。